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Not mask but helmet.

2013.05.06(00:40)

端午の節句のおはなし、じゃなくて、端午の節句の日のおはなし、です。
ということで、とりあえず、どうぞ・・・です。




   ・・・Not mask but helmet ・・・
                           <5.5.2013>

「よっしゃ、無事ゲットだぜ」

『ゼロ・・ 並ぶのはともかくそんなにたくさん買ったってことは・・・』

「ピンポ~ン♪ 鋼牙ん家に行ってカオルちゃんと一緒に食べるつもりだよん」

『やっぱり。
 バイクで仕事に出掛けるからそうじゃないかと思っていたのよ』

「さすが鋭いな~ シルヴァには俺の考えることなんて全てお見通しだね」

『ふふ・・ パートナーですもの、これぐらい当然よ』

「じゃ、今日の仕事も終わったことだし、このまま行くからね」

『どうぞ、あなたのお好きなように』

「サンキュ~」

俺はバイクに跨りヘルメットを被ると、エンジンを掛け、北に向かって走らせ始めた。



「ふぅ~~ 着いた、と。
 たぶんなんとかお茶の時間に間に合ってると思うんだけどな」

『ゼロ、でもいきなり来て、お目当ての人はいるのかしら?』

「あ~ そういえば来るの久しぶりなんで浮かれてて訊くの忘れてたな~
 でもさ、俺の勘なんだけど、鋼牙はともかく、
 カオルちゃんはたぶん居ると思うんだよな。
 ま、もう来たんだし、とりあえずは・・・ ピンポ~ン♪」

呼び鈴を鳴らしてしばらくすると、いつもながら上から下までビシッと決まってるゴンザさんがドアを開けて現れる。

「これは零様、いらっしゃいませ」

「こんにちは、ゴンザさん、お花見以来だね。
 ね、今日はいるかな?」

「はい、今日は鋼牙様もカオル様もお二人ともリビングの方にいらっしゃいます。
 ささ、どうぞお入り下さい」

「じゃ、おじゃましま~す」

招き入れてくれたゴンザさんの横を通り抜けて、さっさとリビングの方に歩いて行く。

「やっほ~ お二人さん、おっひさっしぶり~」

ドアを開けてみると、鋼牙は組んだ足の上に広げた本を読んでいて、カオルちゃんは隣でスケッチブックを広げて何か描いているみたいだけど、身体が鋼牙の方を向いてるってことは、言わずもがな描いてるのは・・・

「あ、零君、いらっしゃい」

手を停め、顔を上げたカオルちゃんが、いつもの笑顔を向けてくれる。

「零・・・」

いつもほど露わに嫌な顔をしていないのは真面目に本を読んでいたんだろうけど、だからってカオルちゃんのような愛想いい感じの顔でもないのは、やっぱり鋼牙、だよな~

「鋼牙、二人でのんびりしてるとこ邪魔して悪かったかな?」

「いや、ずっと本を読んでいたし、そんなことはないが・・・ 
 今日はいったいどうした?」

「カオルちゃんはわかると思うからちょっと黙っててね。
 さて鋼牙、今日は何日?」

「5月5日だろう」

「そうなんだけどね、その5月5日は何の日だか知ってる?」

「子供の日で祝日、それ以外にも何かあるのか?」

「子供の日ね~ そうとも言うけど。
 なぁ、カレンダーに書いてあること以外には何も思いつかない?」

「・・・ああ」

やっぱ鋼牙だな・・・

「じゃあカオルちゃんは?」

「端午の節句で~ うふふ、わかっちゃったかも。
 ね、今日零君が来たってことは・・・ もしかして、柏餅?」

お、さっすがカオルちゃん、よくわかってるぜ。

「ピンポ~ン♪ 正解!
 はいこれ、東の管轄一のお餅屋さん特製の柏餅、持ってきたよ」

「うわ~ 零君、ありがとう~
 ここのお餅屋さんのってお餅も美味しいんだけど、こし餡がね~~」

「さっすがカオルちゃん、北海道産の厳選小豆で最高なんだよね~」

「そうそう!」

「ゴンザさ~ん」
「ゴンザさ~ん」

「はい、では今日のお昼は日本茶でよろしゅうございますね」

「は~い」
「よろしく~」

「さすが零君だけど、でもよく買えたね、並んだんでしょ?」

「まぁ~ ちょっとだけね。
 でもさ、俺、ここのは並ぶ価値あると思うんだよね」

「うん、あるある」

『お前ら、毎度毎度食い物のことでよくそれだけ盛り上がれるな』

「まったくだ」

いっつも甘いものの話題になると自分だけが除け者になるっていうか、鋼牙は俺とカオルちゃん二人で盛り上がるのが面白くないんだよな~
でも・・・

「え~ でも、ここのってほんとに美味しいんだもん! ね~ 零君」

「だよね~ カオルちゃん」

「鋼牙も零君がせっかく買って来てくれたんだから、ひとつぐらい食べればいいのに」

「俺はいい」

「カオルちゃん、要らないって言うんだからほっときなよ」

「だって~ 節句って言ったら男の子の日なのに・・・ 
 ぁあ!」

「カオルちゃん?」
「どうした、カオル」

どうしたんだろ、カオルちゃん。
いきなり何か思いだしたみたいだけど・・・

「お待たせしました、お茶をお持ち・・ カオル様?」

ゴンザさんが、持ってきたお茶をテーブルの上に置こうとした目の前で、カオルちゃんがすっくと立ち上がり。

「先に食べてて~ すぐ戻るから」

それだけ言って、勢いよくドアを開け放したまま廊下を走って行っちゃったよ。

「鋼牙、ゴンザさん、カオルちゃん、どこ行ったんだ?」

『さあな~ ま、すぐ戻ると言ってたんだ、放っとけ。
 どうせすぐに出た時と同じ勢いで何かを持って戻ってくるさ』

「そうなの? 鋼牙」

「ああ、よくあることだから気にするな、すぐに戻ってくる」

『お~ 早かったな、どうやらもう戻ってくるみたいだぜ』

ザルバのことばに耳を澄ますと、さっきの音を巻き戻すような感じで駆けてくる足音がだんだんと大きくなってきて、部屋の中、テーブルの前に戻って来たカオルちゃんの手には・・・

「それって・・・新聞・・だよね、カオルちゃん」

「そうだけど?」

「カオル、新聞はとりあえず後にしろ。
 それから座れ。
 今はゴンザが淹れた茶が冷めないうちに先に柏餅を食べろ」

「あ、そうだった。
 ・・・よいしょっと。
 じゃ~あ~ これは食べた後でってことにして・・・
 ゴンザさん、零君、いただきま~す」

「ごゆっくりどうぞ。
 私は鍋をかけたままにしておりますので、キッチンに戻ります。
 何か必用なものがありましたらお呼びください。
 それでは、失礼いたします」

「ゴンザさん、ありがとう~」

なんか、いつもカオルちゃんペースで鋼牙は頭が上がらない感じっぽいのかと思ってたんだけど。
へぇ~~ 亭主関白っぽい時もあるんだな~

「ふぅ~~ん・・・」

「わ、やっぱり美味しい~
 お餅も柔らかいし、甘過ぎないこのこし餡、たまんない~~
 零君、美味しいね~」

「だね」

うっわ、いつもながら美味しそうに食べるな~ カオルちゃん。
柏餅はもちろん美味しいけど、カオルちゃんのこの美味しそうに食べる顔が俺には別な意味でご馳走なんだよな~~
この笑顔が見れるから、だから俺、わざわざここまで来て一緒に食べたくなっちゃうんだよね。
・・・って、ん?
湯呑を持ってカオルちゃんをじっと見てたはずなのに・・・あれ? 鋼牙ってば、なんで俺をじっと見てんの?

「鋼牙、どうかした?」

「いや、なんでもない、が・・・ ひとつ・・・」

ひとつぅぅ・・・? 

「は? ひとつ? 何が?」

意味わかんね~よ。

「・・・それだ」

「それ?」

ひとつ、の次は、それ? はぁ~? やっぱわかんね~

『カオルがあんまり美味そうに食べるから、それ、柏餅をひとつ、って意味らしいぜ』

甘いもん苦手なのにカオルちゃんの顔見て食べる気になったってか~?

「なに、鋼牙が食べるの? 甘いのに?」

「・・・やっぱりいい、忘れろ」

湯呑をテーブルに置いてソファーにふんぞり返って腕組みして・・・ 
こいつ、照れてんのか? カオルちゃんと反対の方に顔向けて口がへの字だし。
へぇ~ おっもしれ~ てか、鋼牙でもかわいいとこあるじゃん。
よ~し、ここは・・・

「ほら鋼牙、騙されたと思って食べてみろよ。
 いや、どうかここは騙されたと思って食べてください」

鋼牙の目の前にひとつ柏餅を差し出す。

「なぁ~ ここの柏餅は甘いもん苦手な人だって食べれるぐらい美味いんだ。
 ほら、いいから食べてみろよ」

そう言ってじっとそのままにしていると、やがてそっぽを向いていた鋼牙の顔がゆっくりとこっちを向いて。
組んでいた手を解いて・・・ やっと。

鋼牙が葉っぱを剥がして一口食べる様子を、俺も次のを食べながらそれとなく見ていた。

「ど?」

「・・・悪くない」

「ふふっ・・ 悪くない、か」

「・・・ああ」

「鋼牙、素直に美味しい、って言えばいいのに~ 
 よし、で~きた」

「カオル?」

鋼牙は横向いてたから気がついてないみたいだけど、カオルちゃん、ちゃんと1個食べ終わってから持ってきた新聞紙で兜を折ってたんだよな~ しかも2個。
あれをこれから天下の黄金騎士にかぶせるつもりか~?
鋼牙、素直にかぶるのかな?
う~ん・・ でもまぁ、カオルちゃんだからな~ 

「まずは鋼牙から・・・ はい。
 そ~れ~か~ら~ 零君・・・も!」

「サンキュ、カオルちゃん、ど~お? 俺、似合ってる?」

「うん、似合ってるよ、零君」

「カオル、これは?」

「あ~! 鋼牙、まだとっちゃダメ~!」

かぶらされた新聞紙の兜に手を伸ばしかけた鋼牙に、カオルちゃんの叫び声がストップをかける。
で、鋼牙、無視するのかと思ったら、これが憮然とした顔をしてもじっとしてるんだよな~

「零君、ちょっと耳貸してくれる?」

「何?」

俺に顔を近づけて耳打ちしてるカオルちゃん見て、腕を組んだ鋼牙の顔の眉間に皺が・・・

「ね、お願いね、零君」

「オッケ~」

俺は立ち上がって、カオルちゃんがさっきまで座っていた鋼牙の隣に腰を下ろす。

「なんでお前がそこに座る」

「さぁ~ なんでだろ~ね~」

少しずつ更ににじり寄る俺に、ちょっと疑わしげな顔をし始めた鋼牙。
う~ん 問題はここからなんだよな~
俺は知らん顔して胸元を掻くフリをしながらさりげに懐に手を伸ばしあれを掴んで・・・

「零、何を企んでる?
 いい、お前がこっちに座るのなら俺が向こうに行く」

うっくっく、何だかんだ言ったってカオルちゃんの言うこと聞いて、まだ兜はちゃ~んと被ってるんだよな~
でも、俺だってカオルちゃんの頼みだもんね、このままやすやすと逃がさね~ぞ、鋼牙。

「いいじゃんよ、魔戒騎士同志、カオルちゃんお手製の兜かぶって仲良くしようぜ。
 な、カオルちゃん!」

「鋼牙、1 足す 1 は~?」

警戒して俺の方を向いていた鋼牙に、カオルちゃんが絶妙のタイミングで声をかけると。

「2!」

カオルちゃんの問いに素直に・・ いや、この場合はバカ正直にって言うべきなんだろうけど、鋼牙がカオルちゃんに振り向きながら答えた、その瞬間・・

カシャッ!

「・・・!・・・」

ナイス! よっしゃ、今度は俺の番ね。

「撮れた~? カオルちゃん」

楽しそうに問いかけた俺の方を鋼牙が反射的に振り向いたんだけど。

カシャッ!

「うん、ばっちり、零君は~?」

「ちょっと待って~ あ、こっちもばっちりだよ~」

『くっくっく・・・ 見事やられたな~ 鋼牙』

「お前ら・・・ 俺は鍛練室に行って来る!」

目の前の湯呑を掴んで残りのお茶を一息に飲み干して、テーブルの上に置いたと思ったら・・・
あ~あ、すんごい顔して部屋を出て行っちゃったよ。

「・・・鋼・・牙」

久しぶりの怒った顔に、喜んでたカオルちゃんの顔がみるみる曇っていく。

やっぱり俺の思ってた通りになっちゃったか・・・
しょうがねえな~ このまま放っとくわけにもいかないか。

「カオルちゃん、俺、甘いもんいっぱい食べたから、ちょっと腹ごなししてくるね」

「零君・・・」

「鋼牙なら大丈夫、心配いらないって。
 あ、そうだ、俺の写メも要るんでしょ?  
 腹ごなしの前に早く撮って」

「うん」

カシャッ!

「いい? じゃ、行って来るね」



ギィィ~~

「こ~うが」

ドアを開けると、仮想の敵を相手に鋼牙が剣を振っていた。

「何しに来た!」

相変わらずの剣さばき、すんごいね~
でも、誰も褒めてくれないけど、俺もある意味すごいよね~
この怒ってる鋼牙の相手を自分から進んでやろうってんだからさ。
しかも、まずいことにさっきちょっと食べすぎて腹がいっぱいなんだよな~ 今。

手に愛用の2本の剣を握る。

「鋼牙、今、相手欲しいだろ? 俺でよければしてやる・・よっ!」

いきなりこちらに振りおろしてきた鋼牙の重い剣を両手をクロスさせて受け止める。
そして・・・

きっかけはカオルちゃんだったけど、鋼牙を相手に身体が勝手に・・・動いて。
すぐに何もかも忘れて一心不乱に剣を交え続ける。

ははは・・ 成り行き、とは言っても・・・楽しい・・ぜ
そういえば、こうして鋼牙とやりあうのもすっげ久しぶりだもんな~
でも、そろそろ・・・

振りおろされた剣を左手の剣だけで受けてなんとか踏ん張ってたところに鋼牙の長~い足の蹴りが飛んできて、俺はとっさに後ろに跳んで避けたつもりだったんだけど、こいつ、さすがだよな、連続で回し蹴りなんか繰り出すもんだから・・・
あ~ もう、もろくらって吹っ飛んじゃったじゃね~かよ。

「いったぁ~~ もうだめ、俺、動けね~」

横に転がった身体を仰向けにして、大の字になって寝そべる。

「なぁ鋼牙、お前、なんでさっきカオルちゃんが俺に頼んだかわかってる?」

「・・・零」

「お前さ、なんでだか知らないけど写メ撮られるの、嫌がってんだろ?」

「別に嫌がってるわけじゃないが・・・ 要るのか? そんなもの」

「要るか要らないか、じゃなくて、カオルちゃんが欲しがってんだろ?
 写メぐらい好きなだけ撮らせてやれよ、ケチケチすんな!
 さっきのカオルちゃんのうれしそうな顔、お前も見ただろ?」

「・・・ああ」

「カオルちゃんは女の子なんだからさ、待ち受け画面にして、
 友達にも彼氏だよ~って見せたいんだと思うんだよ。
 なにしろお前ら、めでたく婚約したんだしな。
 それとさ・・・ 写メ見てるだけで傍にいるような気分になれる?
 カオルちゃんはたぶんそう思ってんじゃないかな」

「・・・そうだろうか」

『そうに決まってるでしょ!
 まったくもう・・・ 
 女心が全然わからないこんな男のいったいどこがいいんだか・・』

「・・・・・・」

あちゃ~ シルヴァのひとことが効いたな~ さっきまでの勢いはどこへやら、今度は鋼牙がへこんじゃった。
ま、いっか、超にぶちんのこいつにはたまにはいい薬かもしんない。

「よっこらしょ・・ 鋼牙、俺、そろそろ帰るわ」

「ああ」

「今夜にでもカオルちゃんとゆっくり話せよ」

「すまなかったな、零・・ そうする」

「それと・・・」

「・・・?・・・」

「裸を撮られるわけじゃないんだから、写メぐらいで嫌な顔するなよ~
 じゃあな」

「・・・・・・」



心配してるはずのカオルちゃんに挨拶してから帰ろうと思ってリビングを覗いたけど、自分の部屋に行っちゃったのか姿が無くて、しかたなく、ゴンザさんにだけ挨拶して帰路につく。

なんで柏餅食べに行ったのにこんなことになっちゃったんだろうな・・・

『ゼロ、蹴られたところ、大丈夫?』

バイクを走らせていると、ハンドルを握る手の方からシルヴァの心配そうな声が聞こえてくる。

「もろ入っちゃったからな~ たぶん明日には色がかわってるだろうな~」

『カオルの言うことなんて無視しておけばよかったのに。
 ほんとあなたってば人がいいから・・・』

「そっかな? 
 ・・・そうだ、俺の兜かぶってたの、似合ってた?」

『ええ、とても。
 ゼロ、あなたはどんな格好をしても何を着ても全て似合うわ』

「サンキュー シルヴァ。
 そうだ、俺の携帯の待ち受け、シルヴァにしちゃおっかな~」

『まぁ、それはうれしいわね』

「じゃ、さっさと家に帰りますか」

シルヴァと話しを続けながら、俺は更にアクセルを開けていった。

鋼牙、ちゃ~んとやれよ・・・ そう思いながら。



部屋に閉じこもったカオルと話すことなく来た仕事に出掛けた俺が帰ったのは、夜半のかなり遅い時間。
風呂に入り、自分の寝室のドアを開ける時、もしカオルがベッドに居なかったら・・・
そんな不安が一瞬頭を過り息が詰まるが、そっと開けたドアの向こう、ベッドの上でカオルが小さく丸まっているのを見たとたん、思わず身体の力が抜けていくのがわかる。
足音を立てないように近づいてカオルの顔を見ると、頬に・・・ 涙の痕?

カオル・・・

静かに・・ カオルの隣に身体を滑り込ませ、指の背で涙の痕をそっと辿る。
と、瞼がわずかに震えて、閉じられていたカオルの目がゆっくりと開いていく。

「こ・・うが?」

「すまない、起こしたな」

「ううん、いいの、それよりも・・・ おかえりなさい」

「ただいま。 
 カオル、昼間、あんな態度をとって、すまなかった。
 あの後、写メを撮るぐらいでけちけちするな! 零にそう言って説教された」

「鋼牙・・ でも、騙すようなことしたわたしもわる・」

チュッ・・

「もういい、お互い様だ。
 もし、まだ撮りたいとカオルが思うのなら・・ かまわない、から。
 それでいいか?」

「ほんと? いいの?」

「ああ、好きなようにしろ」

「うん・・ ありがと」

「もう寝るぞ、おやすみ」

「うん、おやすみ」

身体を寄せてきたカオルを抱え込んで目を閉じる。

「カオル、悪いがあとひとつだけ教えてくれ。
 なんで新聞で作った兜をかぶった俺を写したかったんだ?」

「え? だって・・・ 
 携帯の待ち受けに牙狼の鎧の鋼牙を写すわけにはいかないし。
 それにね・・・」

「どうした、教えてくれ、聞かないと気になって眠れない」

俺の腕枕で目を閉じていたカオルが、顔を俺の胸にさらに押し当て、やっと聞こえるかどうかの小さな声で・・・

「鎧を着てると、大好きな鋼牙の顔が見えないんだもん・・」

ホラーを狩って疲れた身体は眠りにつきたがっているのに。
カオルのその言葉を聞いたとたん、かぁ~っと体温が上がり、脈が早くなってきて・・・
俺は身体の向きを変え、カオルの身体をぎゅっと抱きしめたまま、廻した手で背中や頭を撫で廻していく。

「鋼・・牙?」

「聞いたら・・・ 眠れなくなった」

「え?」

「カオル・・・」

涙の痕に舌を這わせ、そしてその後は・・・



                                             



<お・ま・け>

『おいおい・・・
 その後、鋼牙とカオル、二人がどうなったのか、だって? 
 そんなの、俺様に訊くのはお門違いってもんだぜ。
 とは言っても、教えてやろうにも俺様も箱の中に入って寝ちまった後のことだしな~
 どのみち、知る由もないんだけどな。
 
 ・・・は? どうしても知りたい、だって?
 だから言ってるだろう、無理だ、って。
 もしどうしても、って言うのなら・・・
 鋼牙の蹴りでもくらうの覚悟でお前さんが自分で直接訊くか、
 それが嫌なら、あとはもうお前らで勝手に想像するしかないだろうよ。
 あ~して、こ~して、こ~なって、ってな感じでな。
 そういや、なんでも、そういうのを業界用語で「脳内補完」っていうらしいな』

「おい、ザルバ、何を一人でぼそぼそ喋ってる」

『べ~つに・・・ 気にするな。
 俺様のちょっとした独り言、「ザルバ様のつぶやき」 さ』



                                             



<おまけ わんすもあ>   5.6.2013

ここは、ガーデンテラス・・・
鍛練中の鋼牙に台座に置かれたザルバと、いつものようにその姿をスケッチしているカオル。
そのカオルが急にスケッチブックをテーブルに置くと、ザルバを鋼牙の方に向けたまま、自分はザルバの死角になる位置に椅子を動かして、何やらやっているようなんだが・・・

「うっふっふ❤ このメモ帳、柄も可愛いし大きさもぴったり!」

『カオル~ お前、何をやってるんだ?』

「え~? ちょっとね・・・
 う~ん これぐらいのでいいかな~~
 たしか・・・ こうやって・・・ ここを・・・
 そうそう、それで・・・
 んで、ここを・・・
 できた!

 ザルバ、ちょっと触るね?」

『おいっ カオル、お前・・・
 俺様に何をかぶせたんだ? カオル!』

「ちょっと黙ってて、鋼牙が戻ってきちゃう」

ピ――… カシャッ

「確認、確認・・・❤
 うわ~ いいデキ! ゴンザさんに見せてこよう~っと」

『カオル! おいカオル! ちょっと待て!
 お前、俺様にいったい何をかぶせて撮ったんだ~
 カオル~~! カオル~~!』

「・・・これ、零君にも見せてあげなきゃね・・・・」

屋敷の中に入ってしまったカオルのせいで、ガーデンテーブルに置き去りにされてしまったザルバ・・・
キリがいいところで剣をしまい、一息いれるために鋼牙がテーブルに戻ってきた。

「カオルは中に入ったのか・・・」

『カオルが何かをかぶせて携帯で写真を撮って行きやがった。
 鋼牙、俺様は今、どうなってるんだ?』

「・・・・・・」

『鋼牙、なんとか言え!』

「そういえば、お前も ”男の子” だったな・・・」

『どういう意味だ!』

「・・・・・・さあな」

『なんでもいい、とにかくかぶせたものをとってくれ』

「断る。
 俺はカオルの嫌がることはしたくない。
 ザルバ、俺はもう少し身体を動かしてくる。
 お前は・・・もうしばらくそのままでいろ」

そう言うと、鋼牙はボトルの水とタオルを置いて剣を持ち、口元だけで笑って庭の中央に・・・

『鋼牙、おい待て、鋼牙~!』

「ふっ 似合ってるぞ、ザルバ・・・」

『おい、俺様はいったいどうなってるんだ~! 教えろ~~!』



ザ~ルバ

たぶん・・・こんな感じかな?



                                             



じゃじゃ~ん!

柏餅 ❤ その1

柏餅 ❤ その2

是空様から、とっても素敵なイラストを頂きました。 (*^_^*)
一人でわぁお~❤ って見てるのもたしかにいいんだけど・・・
でもでも、せっかくだからやっぱり皆様にも見ていただきたくて。
で、前回同様またもや告知無しでの、こっそり画像UPです。 (*^^)v
是空様、こんなに素敵な絵の数々、ほんとにほんとにどうもありがとうございました~❤
嬉し過ぎる今日 5.15.2013



                                             



<おまけ わんすもあ あげいん?>   5.20.2013

「あ~ お腹いっぱい。
 仕事の後は甘いもの食べるのにかぎるよな~ 満足満足」

『あれだけ食べれば満足もするでしょう。
 ねぇ、さっきのケーキバイキング、あなたはいったい何人分食べたのかしらね』

「え~ そんなの、もちろん一人分に決まってるよ」

『ふふ・・ 一人分ねぇ~』

♪~ 

「メールかな・・・」

コートの中から携帯を取り出す。

「ふふ・・」

『どうしたの? ゼロ』

「昨日家に帰ってから早速待ち受け画像をシルヴァに設定したじゃない?
 それを見るたびシルヴァって美人でいいな~ って思ってさ」

『まぁありがとう、お世辞だとしてもとっても嬉しいわ』

「え~ お世辞じゃなくてほんとのことなんだけどな~」
 
メールを開いてみる。

「カオルちゃんからのメール・・・
『今日のはメモ帳で作ってみました。 
 零君、どうかな? よく似合ってるでしょ?』 
 え~っと、添付画像は・・ あっはっは、これってザルバじゃん」

『ゼロ、どうしたの?』

「カオルちゃんからザルバの画像が送られてきたんだけどさ、
 面白いっていうか、これがなかなかいいんだよね~
 はい、シルヴァにも見せてあげる」

『・・・なにこれ? カオルが被せたの?』

「そうみたいだよ。
 ピンクの兜だなんて、ザルバ、似合ってるな~」

『ただし、笑える、っていう意味でね』

「え~ 俺はけっこうイケてると思うけどな~」

『そうかしら』

「そうだよ~
 あ、せっかくだからザルバの画像を鋼牙の着信画像に設定しとこう~っと」

『そんな設定しても、鋼牙から来る事なんてまずないのに・・・』

「だって~ せっかくもらった画像なんだし~?
 よし、設定終了。 
 どれどれ・・・ふ~ん・・・なかなかじゃん」

『ゼロ?』

「さっきまでシルヴァの待ち受け画像がいいなぁ~ って思ってたけど、
 これ見てると、カオルちゃんから貰ったザルバの画像も案外いいかも・・・」

『なんですって! ゼロ、私よりもザルバの方がいいって言うの!?』

「あ、いや、ごめん。
 でも大丈夫、画像的にデキがいいな~ そう思っただけだって」

『本当かしら・・・』
 
瞬きを繰り返しながらそう言うシルヴァを目の前に持ち上げ、顎から頬に添って指先で優しく撫で上げる。

「本当だよ。
 シルヴァ、俺にはお前だけだから・・・」
 
コメント
どうもありがとうございます。
ほんわかりん、だなんて・・・むふふ、嬉しいです。
【2013/05/27 19:47】 | なな #- | [edit]
こんばんは~~ 
あのような、おまけのおまけのおまけ?話なのに、喜んでいただけてよかった、嬉しいです。
頂いてからの毎日・・・ 飾ってある絵を見るたび、ほんっと嬉しくて楽しくてわくわくして。
こちらこそ、こんなに幸せ気分にさせてもらってありがとうございます。
う~~ん、是空様の絵さえあれば、おまけシリーズ量産可! な気がします。(*^_^*)
【2013/05/25 21:11】 | なな #- | [edit]
お久しぶりでございます。
ぇえ~! パズル半壊ですか?! 
うわわ、それは痛い・・・ (>_<)
でも、ファイトです! 牙んば狼、です!
9月の東京、10月の兵庫、Wキャストでいったいどうなるのか・・・
またメールしますね。
【2013/05/15 14:05】 | なな #- | [edit]
うわ~お~ ウチん家の零君を好きと言ってもらってありがとうございま~す。
でも、声が聞こえる? は言い過ぎです、よ~
柏餅の甘さも固さもノープロブレム、鋼牙とカオルちゃんが良しなら全て良し、なんですね。
はい、了解しました!
うふふ・・満腹でなによりでございました。
よかった。
【2013/05/10 00:18】 | なな #- | [edit]
いつも思うのですが、なな様の描かれる零くんがとっても好きですぅ~
このお話では、特に、零くんの台詞がすべて「玲くん」の声で聞こえてきそうなほどでしたよ!
(実際に、聞こえた気がする…)

鋼牙さんとカオルちゃんとの仲が甘けりゃ、柏餅が甘かろうが甘くなかろうがどうでもいいの。
鋼牙さんがカオルちゃんを優しく抱き締めりゃ、柏餅が柔らかかろうが固かろうが構いませんの。
(柏餅そっちのけみたいで、柏餅に悪いなぁ)

しか~も…
楽しくお話を読み切った、と思ったら、まさかのおまけ付き! (ラッキ~)
もうお腹いっぱい、と思ったら、まさかのわんすもあ付き! (またまたラッキ~)

なな様、楽しいお話、ほんとにありがとうございました!
【2013/05/09 22:04】 | selfish #ICazf28Y | [edit]
コメントありがとうございます。
そうですね、新聞紙兜の鋼牙と零、見たいですね~
想像はできるんですけど、やはりあくまで想像ですから・・・
うぉ、続きですか?
そうですね~ 時間がある時にでもまたいつものように個人的に書こうとは思ってるんですけど・・・
とりあえずは、ザルバの言ってるように「脳内補完」ででもよろしく~ と言うことで、お願いいたしまする。
はい。 (>_<)

【2013/05/09 17:29】 | なな #- | [edit]
あらら・・・ 是空様、近かったら柏餅持参でお伺いするのにー! です。
今回の新聞紙かぶとネタ、零君ならたぶん嬉しそうにかぶってくれるだろうな~ じゃあ鋼牙はどうだろう? なんて思いついた後、前に頂いた帽子の絵、机に飾ってあるあの絵を見て、よし! って思いまして。
それと、甘いもの関係のおはなしだったこともあって、感謝もこめて零君目線でカキコしてみました。
今回の急遽UPは、あの絵があってこそ、ほんとありがとうございました。
カキコに不自由していたほぼ1カ月間、いろいろ考えていたんですけど、鋼牙はどんなもの食べてるんだろう~? っていうのもその中のひとつで、想像してると結構楽しかったです。
例えばアジの開きやシシャモなんて鋼牙は食べるのかな~? とか? 
もう考えてるだけで笑えて、もし食べるっていうか食べることになるとしたらその経緯は~? カオルちゃんとどんな会話をしながら食べるんだ~? とか?
まさにケガのなんとか? やはりたまには身体も頭も休んだ方がいいみたいです。
最後、剣を持って庭に戻る鋼牙の、振り返り気味、上目線からの口元だけで笑った顔・・・いいだろうな~~
あと、勿論ながら私も、マイ??-??-?と写メりたい!! です。
コメントどうもありがとうございました。
【2013/05/09 00:35】 | なな #- | [edit]
実は今回の新聞紙の兜をかぶるおはなし、半月程前、薬が効いてうたた寝した時に見た夢の中のおはなしがベースとなってます。
なんだか今回のおはなしのコメントに、金銀の・・・ 紙で折ってほしかった~ とか、飾りをつけてほしかった~ っていうのが数多くありましたけど、それはやはり黄金騎士と銀牙騎士だからなんでしょうね。
あはは・・・ 心太様コメントの、ゴンザさんと鋼牙の爆笑ミニ劇場? ずっと頭の中から離れません、です。
それと、お雛様と鯉のぼり、で、セットのおはなしなんかもね、ネタとしてはあるんですけども、今回はどうやら埋もれそうです。
【2013/05/09 00:06】 | なな #- | [edit]
こちらこそ、ありがとうございました。
頂いたコメントを読んだとたん頭の中にすぐ浮かんで、後はもう見返しもせずに書いて、折って、かぶせて、撮って。
すごく楽しかったです。 (*^_^*)
【2013/05/08 23:42】 | なな #- | [edit]
楽しそうですか~? 鋼牙の兜かぶってる姿。
あはは・・ 鋼牙はたしかに優しいですけど、もしかしたらカオルの言うこと聞かなくて後で話しがこじれるのが嫌だった(怖かった?)のかもしれません、よ?
【2013/05/08 22:59】 | なな #- | [edit]
なな様、ザルバさんの兜姿を見せてくださり、ありがとうございました。
兜中央の「ざるば」の文字が可愛さ倍増です。
偶にはザルバさんもカオルさんに振り回されるのもいいですよね。
【2013/05/07 23:14】 | Mie #KDadQ4Mg | [edit]
妄想すると楽しそうです(笑)
やっぱりカオルからのお願いなので、嫌そうにしながらも、ちゃんと被り続けてくれるのですね。優しいなぁ…。
柏餅かぁ~…。
久しく食べてないですけど、私個人は粽( ちまき )派(そんな派閥があるかは別として)です。これなら甘い物が苦手な鋼牙でも、気軽に食べられたかも?…ですかね。
そっか…。鎧だと鋼牙の顔は見えませんもんね。兜を鎧に見立てたカオルの気持ち、何か可愛くて良いですvvv
ああ!ザルバの兜姿!( しかも兜中央に“ざるば”の文字が!・笑)確かに頭に何か被せられてるのは解るけれど、見られないから「どうなってるんだぁ!」ですよね。
それを放置する鋼牙も、日頃からかわれてる事への仕返し?って感じがしました。…でも面白かったです。
【2013/05/07 12:47】 | 茅 #- | [edit]
金曜日のテンション・・・ あ~ なんとなくわかる気がしますね。
でも、私の場合、一応、定時UPの日なので、別な意味で微妙なテンションだったり?するんですけどね。
ははは
幸せな子供の日、と言ってもらえてよかった~ おかげでホッとしました。
【2013/05/07 00:28】 | なな #- | [edit]
こんばんは~
私は並びこそしませんでしたが、地元のお餅やさんのを買ってきて家人と一緒に食べました。
鋼牙と零に金と銀の紙でカブトですか?
それは、大きめの紙を買ってこないといけませんね・・・
Mie様のコメントでちょっと思いついて、さっき 「おまけ わんすもあ」 を追記しました。
どうですかね~? Mie様。 
【2013/05/07 00:17】 | なな #- | [edit]
こんにちは、なな様
美味しいお店は行列しないと買えないんですよね~。私もちょっと並んで買いました。
美味しい物を美味しそうに食べてくれる人と一緒に食べると、とっても楽しいですもの、零くんの気持ちよくわかります。この点、鋼牙さんはちょっと素っ気ないですよね~。もっともそれが鋼牙さんなのでしょうけど。
カブト、子供の頃はよく作りました。せっかくですので、カオルさんに一つお願い。来年は是非新聞紙ではなく、金紙と銀紙で作ってください。ついでにひと事のよーにいっているザルバさんにも被ってもらいたいです。:ー)
柏もちとカブトとで、しばしの平和の幸せなお節句にほっこりとさせていただきました。
【2013/05/06 09:25】 | Mie #KDadQ4Mg | [edit]
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