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Enjoying seeing cherry blossom 2 (Daytime)

Category: 作文1  

お花見当日の昼間(Daytime) です。
お客さんも来ての今年のお花見(自体)は、普通のお花見のはずなんですけど・・・ ってことで
Enjoying seeing cherry blossom 1 (Before) 
の続きです。




 
   ・・・ Enjoying seeing cherry blossom 2 ・・・  
                                    <5.23.2013>


花見当日の朝、昼に早く戻って来れるようにと、いつもよりかなり早目、日の出とともに家を出る。
 
いつものように起こさずにそっと抜け出てきたから、たぶんカオルはまだベッドの中で夢を見ていることだろう。

『なぁ~ 鋼牙。
 今日は花見だからさっさと片付けて、昼前には戻らないとな~』

無邪気なカオルの寝顔をふと思いだしていたのを、まるで見透かしたかのようにザルバが話しかけてくる。

「ああ」

『しかもだ、零はともかく、鈴は今夜お泊まりなんだろ?
 ちゃんと呼び出されないようにしとかないと・・・
 鈴だけじゃなく、下手をするとカオルのご機嫌まで損ねることになるぜ』

「それがわかっているならさっさと仕事しろ。
 無駄口ばかり叩いていたら早く出てきた意味が無い」

『へいへい』

「返事ならひとつでいい」

『・・・・・・』

「おい、ザルバ、わか・」

『見つけた。
 西の方角に3~4キロ先ってとこか・・ ほら、急げよ~ 鋼牙』

「・・・わかった」



料理の準備がほぼ終わったというゴンザさんと一緒に、樹の下へ敷きものを敷いて戻って来ると、玄関前に見慣れた黒い長身ともう一人、女の子が立っているのが目に入った。

「あ、ゴンザさん、あれ、零君と鈴ちゃんみたい」

「おや、お二人ともずいぶんお早いですね」

呼び鈴を押しても誰も出てこないせいで、鈴ちゃん連れだし、いくら勝手知ったる零君でもさすがに勝手に入るわけにもいかないらしくて。
その二人の方から、明らかに零君とは違う高い笑い声が聞こえてくるということは、どうやら二人で楽しく話しをしているみたい。

「零く~ん、鈴ちゃん、いらっしゃ~い」

近付きながら少し大きい声で呼びかけると、気付いた鈴ちゃんがこっちを振り向き、手を振りながら返事を返してくれる。

「あ、カオル~ ゴンザ~ 鈴、花見に来たよ~~」

「カオルちゃん、ゴンザさんも、今年も花見に呼んでくれてありがとう」

「零様も鈴様も、今日はようこそいらっしゃいませ。
 どうも、お待たせしたようで申し訳ございませんでした。
 ささ、どうぞ中へお入り下さい」

ドアを開けてくれたゴンザさんの横を通って中に入ったとたん、なぜか鈴ちゃんはすぐにゴンザさんにひっついてるんだけど・・・

「ねえゴンザ、今日はプリン、ある?」

「はい、ございますよ。
 鈴様がたぶんそう仰られるだろうと思いまして、
 零様もいらっしゃることですし、たくさん用意してございます」

「ほんと? やった~! 鈴、うれしい~ 早く食べたいな~」

「それでは鈴様、お昼前ではございますが、まずはおひとつお食べになりますか?」

「うん、食べる食べる~ ね、ゴンザ、早く~!」

「はいはい、畏まりました」

鈴ちゃんに腕をとられたゴンザさんが引っ張られるようにキッチンに向かって先に歩いて行くのを、後ろから零君と並んで笑いながらゆっくりとついて行く。

「プリンか・・・ たしかにゴンザさんのプリンは美味いもんな~ 
 あ、そうそう、カオルちゃん、はい、桜餅」

「わ、零君、今年もありがとう~」

「どういたしまして。
 それより、どうやら鋼牙はまだみたいだね」

「うん、でも今日はなるべく早く戻るって、昨日言ってたから。
 だからもうすぐ、昼前には帰ってくると思うんだけどね」

「そっか。
 ね、ゴンザさんだから準備は万全だろうけど、何か手伝うことある?
 俺にできることあったらなんでも遠慮なく言ってよね」

「うん、ありがと。
 わたしね、作るのはいいから運ぶのだけ手伝って下さいって言われてるの。
 だから、あとでわたしといっしょに運ぶ時に手伝ってくれる?」

「オッケ~ おやすい御用だよ、任せといて」



「・・・ただいま」

屋敷に帰ってくると、鍵は開いたままなのにカオルどころかゴンザの姿も見当たらない。

『もしかして、カオルどころかゴンザまでいないのか~?』

「そのようだ。
 たぶん・・・ もう零と鈴が来ているんだろう」

『で? 待ち切れずにお前を置いてみんなで先に行ったってか?』

「ああ、たぶん」

『お~お~かわいそうに、鋼牙、お前だけ置いてけぼりだな』

「・・・・・・」

コートを脱いで庭に出ると、たぶん皆がいるだろうはずの桜の樹のある方に向かって歩いて行く。
すると、たぶんカオルと鈴だろう。
まだ姿こそ見えないが、明らかに俺や零などよりも高いトーンの明るい笑い声や話し声が、春のそよ風にのって微かに聞こえてくる。

『やはり、お前さん以外は全員揃っているような感じだな』

「ああ」

声のする方に歩いて行くと、ちょうどこちらを向いていたカオルが俺に気がついたようだ。

「あ、鋼牙、おかえり~」

「ただいま」

「鋼牙ぁ~ 久しぶり~」

「鈴か? しばらく会わない間にずいぶん大きくなったな」

「よ! 鋼牙」

「零、今日はすまなかったな」

「なになに、ぜんぜんすまなくなんかなかったから気にするなって。
 ちょっとだけど翼にも会えたし、
 鈴ちゃんと話しながら来るのはけっこう楽しかったからな」

「そうか」

「おかえりなさいませ、鋼牙様。
 皆様に手伝っていただいたおかげでもう準備はできております。
 ささ、鋼牙様もお座りになって、お楽しみください」

「ああ、わかった」

『おいゴンザ、準備はいいがずいぶん不用心だな~
 帰ったら屋敷はどこもかしこも開きっ放しだったぜ』

「あ、そういえばそうでございました。
 申し訳ございません、お飲み物を取りに戻るついでに見て参ります」

そう言うと、ゴンザは慌てて屋敷の方へ戻っていき、俺は敷物の上、零の隣に座る。

「零、迎えに行ってくれたのは助かったが、今日の仕事はどうしたんだ?」

「あ~もう鋼牙、お前って遊びに来るといっつもそればっか訊くよな。
 あのさ、こう見えても俺、普段から真面目にやることはやってるんだよね。
 それに、今日のために、ここんとこかな~り念入りにやっといたし?
 今朝だって超早起きして速攻済ませてから鈴ちゃん迎えに行ったんだよね。
 だ~か~ら、今日は夜も含めてたぶん大丈夫なはず。
 なぁ、鈴ちゃんに聞いたけど今夜お泊まりなんだって?
 今夜何も無ければ俺も遊んで行っていいよな、鋼~牙」

「何も起こらなければ・・・ 好きにしろ。
 もし泊まるのならゴンザに言えばいい」

「え~ 今夜は零もお泊まり? ほんとに?」

「ん、ほんと。
 ただし、鋼牙が言ったようにお仕事さえこなければ、の話だけどね」

「鋼牙は夜お仕事来ないように頑張ってくれるはずだからたぶん大丈夫。
 そうカオルが言ってたけど。
 わぁ~ 零もお仕事来なければいいなぁ~
 そうしたら鈴、今夜は念願の・・・」

「・・・?・・・」

「なになに? 鈴ちゃん、今夜何かするつもりなの?」

「・・・まだ・・言えない」

「だよね~ 鈴ちゃん」

「うん」

「わたしとゴンザさんはもう聞いちゃったけど、二人にはまだ内緒。
 だって二人とも夜に仕事がなかったら、の予定だもの。
 鋼牙も零君もわかるまで楽しみにしておいてね」

「・・・ああ」

「ふ~ん、なんだかよくわかんないけど、じゃ、楽しみにしとくよ」

満開の桜の下でゴンザの用意したものを食べながら楽しく過ごす。
普段は食事を共にしないゴンザも、今日ばかりは無礼講で俺達と同じように敷物の上に座り飲み食いをして、零の勧めるワインを飲んでいるからか、カオル同様顔色がかなり赤くなっている。
俺は、零と鈴、それにカオルの三人が、あれが美味しいこれが美味しいと賑やかに言いながら食べては、途切れることなく話し続けている様子を肴にずっと飲んでいたんだが・・・
そんな時、隣に座っていた鈴が俺の顔を見上げていることにふと気が付いた。

「鈴、どうした?」

「ね、鋼牙・・・」

「・・・?・・・」

俺の名前を呼んだまま黙ってしまった鈴に、持っていたグラスを下に置いた、その途端。

「いくよ! 最初はグー」

は?

「じゃんけ~んポン!」

とっさにつられて出した俺の手はパーで、鈴の出した手には指が二本、つまりはチョキ。
俺の負けか? だが、なんでいきなり今じゃんけんなんだ?

瞬間、そう考えていた俺の目の前にすかさず鈴の指先が突き出され・・・

「あっち向いて・・」

なんだ? この懐かしくも背筋がぞわりとするフレーズは・・・

「ホイ!」

しまった、目が・・・ 

頭の中、遥か彼方から 「ダメだ!」 という声がするのに、普段の戦いで常に相手から目を離さないようになってしまっている俺の目は、無意識に目の前の指の動きにつられて動き、目だけで追えなくなってしまうと顔までもが指の動いた方に向いてしまう。

「やった~ 鈴の勝ち~~」

『くっくっく・・ 鋼牙、また同じのでやられたな~ お前さんの負けだ』

負け、た・・・ にしても・・・なんだ?

「カオル~ 鈴、鋼牙に勝ったよ~」

「やったね、鈴ちゃん」

「うん、カオルの言った通り、ばっちりだったよ」

「鈴? カオル?」

今のは・・・ いったいなんだったんだ?

鈴とカオルはしてやったりとばかりに目の前でハイタッチをしているし、ゴンザはというと、グラスを持ったままそんな二人の様子を見ながらずっとにこにこと笑っている。
零は・・・ どうやら今回は本当に何も知らないのか、こいつにしては珍しく呆気にとられた顔をしている。

「鋼牙様、残念でしたが、負けは負け、でございますよ」

「ゴンザ?」

「なんか、懐かしい光景だな~ 俺もなぜか嬉しかったりして?」
 
「零・・・」

「鋼牙、鋼牙は鈴に負けたんだからね、今夜空いてたら鈴の言うこと聞いてね。
 いいよね? 鋼牙・・・・ ねえ、わかった?」

「あ、ああ・・ わかった」

「じゃ、約束」

そう言うと、鈴は俺の小指に自分の小指を絡ませてザルバごと繋いだ手を勢いよく揺らしながら指きりの歌を歌い始める。

カオルと、どうやらゴンザまでも一緒になって、俺にいったい何をさせるつもりなのか・・・
まぁいい、とりあえずカオルと鈴が二人で考えたことならそんなにたいしたことではないだろう。

俺はそう判断すると、二人が喜んではしゃいでいる姿と頭上の桜の花を眺めながら、珍しくゆったりとした気分で昼からの時間を過ごした。


 2013_05_27

Comments

hana72様 

そうですね~ 名前(タイトル)は、ほとんどが書き終わる頃か、終わりが頭に浮かんでいる頃になって付けているのがほとんどの成り行き任せの管理人でございます。
う~ん、たしかにおっしゃられるように、カキコすることって、時間とか気力とか? 結構使いはしますけど・・・ でも、なんていうか、カキコしていく過程? それが正直楽しい、と感じられているから、だから続けていられるんだろうな~ と思える自分が今ここに。 (下手っぴの駄作ばっかですけどね)
何いってんだろ・・・ ぅ~ 照れる。
なな  URL   2013-06-11 22:30  

selfish様 

いやいやいや、ただの作文なのにそんな喜んでもらって嬉しい限りですけど、なかなか周りの状況が時間を許してくれなくて、こっちこそ申し訳ないやら、申し訳ないやら、申し訳ないやら…
ははは・・・ たしかに役者は揃いました。
このあとは、絶対あり得ないような妄想捏造の夜に突入になるんですけど・・・
すいません、どうか気長にお待ちくださいませ。
なな  URL   2013-06-02 16:38  

花見キタ~ッ! 

待ってましたぁ!
お仕事お忙しいのに、「書いて! 書いて! ぜひ書いて!」とお願いしてしまい、申し訳ないやら、申し訳ないやら、申し訳ないやら…
でも、とっても嬉しいです。

桜の花咲くお庭は、さぞ美しかろうなぁ~
鈴ちゃんに零くん、そして鋼牙も帰ってきて、役者は揃いましたね。
さぁ、続きが楽しみ!

お仕事は一段落ついたのでしょうか?
…と思った矢先に、ガブッと怪我されて、気持ちよくカキコできるのはまだまだ先のようですね。

気長にお待ちしておりますよ~
selfish  URL   2013-06-01 00:33  

是空様 

「花見をまだ書いてんのぉ~? 今、何月よ」 と、2号に突っ込まれつつもまだまだお花見のおはなしは続くのです、はい。
そうなんですよね~ 零君と鈴はひたすら話しをしながら魔戒道を歩いて鋼牙ん家まで来たわけで・・・
その様子はもちろん頭の中にはあるんですけど、いかんせん時間が~
すいません、依頼の件もできず、おはなしもショートカット、UPはルーズ、最近の管理人はて~んでなってないです。
反省はしてるんですけど、もう、どうにもこうにもならなくて。
気長に待っててもらえるとありがたいです。
あ、是空様の考えたあっち向いてホイのネタ、どんななんだろうなぁ~ すご~く気になります。(#^.^#)

なな  URL   2013-05-31 22:18  

hana72 様 

うちん家の鋼牙さん限定ですけど、苦手みたいでございます。
まあ、パーフェクトな人っているわけないですしね~~ (*^_^*)
夜の部(ミュージカルみたいですね、この言い方)は、すいませんが今しばし・・・ 待っててくださいませ。
なな  URL   2013-05-29 21:14  

かなまま様 

> 鈴チャンには何故かプリンがでてきます
そ~うなんですよ、「白夜の魔獣」に登場した時から鈴ちゃんと言えばゴンザさん特製うまうまプリン!
これです。
>カオルと鈴の企み楽しみ楽しみ
>鋼牙のしかめ面がみものです
企み、と言うほどの物ではないと思うんですけどね~
まあ、何かが起こる、はずなので、もう少し待っててくださいませ、です。(*^^)v
なな  URL   2013-05-29 21:07  

茅 様 

どうも、こんばんは、でございます。
さんざんスルーしたあげくにこんな部分的な「繋ぎ」部分だけのUPで・・申し訳ないです。
続き、地味~に頑張りますね、はい。
> 意外にアッサリ“あっち向いてホイ”に負けてしまう鋼牙。
> 魔戒騎士としては右に出る者はいなくても、案外こういう所は弱かったりするのかもしれないですね。
あはは、たしかに。
なにしろ、過去の「鋼牙、零に昼メシをご馳走する」の時に、同じ「あっちむいてほい」で零に一度負けてますからねぇ。
(しかもその時の零も「しっかり練習してきた」発言してますから、ある意味魔戒騎士的には、苦手種目? なのかも? です)
さて、どうやらカオルちゃんやゴンザさんからの入れ知恵? のような匂いがしないでもないこの勝負、夜の部ではどうなるのか、今しばらくお待ちくださいませ、ませ。
なな  URL   2013-05-27 20:05  

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