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The second story at Christmas in 2012

2013.01.05(00:00)

いつも遊びに来てくださっている皆様方、お待たせしました。
クリスマスの 「書き抜けナイト」 の後、時間が無いというしかたない事情とはいえ、途中放置をしたままのおはなしの第2話、やっと今夜UPです。
「無理はしないでくださいね」 「早目の続きをお待ちしています」 「続きは大人路線でも気にしません、どうぞ遠慮なく」 などなど、まあ言葉は違えど管理人を労わりつつも早めの続きを~ という要望コメントのなんとも多かったこと。 
ははは・・・ やる気の出るうれしいコメントの数々をどうもありがとうございました。 
たぶん管理人も読み手側なら同じ事を思うでしょうが、いやはや皆様の正直なコメントは、嘘偽りなく疲れていた管理人に笑顔とやる気を出させてくれて、すごくうれしかったです。
え~と、ではずいぶんとお待たせしましたけど、どうにかこうにかの、続きの第2話を、ぷり~ず♪ 
少しでも楽しんでもらえればいいんですけど。 (*^_^*)

The first story at Christmas in 2012  の、続きです。

 


   ・・・ The second story at Christmas in 2012 ・・・
                                         <1.3.2013>


『おいおい、お前さんがなんで急いでるのかなんて当然俺様は先刻承知だが、
 今回のような厄介な仕事をずいぶんとまた大急ぎで片づけたもんだよな~』

「・・・・・・」

左手から聞こえてきたザルバの声を無視したまま、屋敷に続く最後の緩い坂を急ぎ足で上りきると、急に目の前に見慣れた屋敷の風景が現れる。

どうにかカオルと約束した日には帰ってきたが、だが、もうこの時間だとカオルは今頃・・・

ドアに手を掛け中に入りながら、大きな声でゴンザの名前を呼ぶ。

「ゴンザ! ゴンザ、どこに居る!」

『おいおい鋼牙~ そんな大きな声をしなくてもゴンザならすぐに出てくるぜ』

「これはお帰りなさいませ、鋼牙様」

「ゴンザ、カオルは? この時間だともう出掛けたんだろうな」

「はい、お出掛けになってもう2時間ぐらい経ちますでしょうか。
 たしか開演は6時半だと伺っております」

「・・・・・・」

時計に視線を走らせる。

この時間だと、これからすぐ行ったとしても、さすがにコンサートの始まる時間には間に合いそうにないか。
さて、どうするか・・・

「鋼牙様」

「なんだ」

「カオル様は鋼牙様がもしかしたら帰るかも、と、
 本当に出掛けるぎりぎりのお時間まで待っていらっしゃいました」

「・・・・・・」

「実は・・・
 私は鋼牙様がお戻りになられるかもしれないので、駅までお送りしただけなのですが、
 コンサートの方には、カオル様お一人での夜のお出掛けを心配して下さった零様が、
 連絡を受けて向こうの駅から御一緒して下さっております」

「そうか、零が俺の代わりに一緒に・・・」

「はい」

「・・・・・・」

「どうなされますか? 開演には間に合わないかもしれませんが今から行かれますか?」

「・・・・・・」

『鋼牙、あれだけ無理して戻ってきたんだ、お前ほんとは行きたいんだろ? 
 別に途中でもかまわないだろう? さっさと今からカオルのところに行って来い!』

「ああ、そうだな・・・ そうするか」

「では、私は今すぐお車をこちらへ廻してまいります」

ゴンザが慌てて車庫の方へと走って行った。

『今夜はもう仕事をよこさないって、番犬所でも言っていたんだ。
 俺様もさすがに強行軍で疲れた、今夜はもう先に休ませてくれ』

「ザルバ・・・」

『おい、車の音が近づいてきたようだ。
 俺様をゴンザに渡してさっさとカオルのところへ行け』

「わかった、じゃあそうさせてもらう」

「鋼牙様、お車をとってまいりました」

「ゴンザ、ザルバを頼む」

「はい、お任せくださいませ、行ってらっしゃいませ鋼牙様」

指から外したザルバをゴンザに渡し玄関を出ると、エンジンのかかったままの車に飛び乗り、カオルのいるあのホールへと車を発進させる。


ホールの近くに来ると目についた駐車所に車を入れ、あとは無言のままホールへと走る。

去年と同じような内容なら、もうそろそろ半分ぐらい済んだはず・・・

ホールの中に入り視線を走らせると、受付とおぼしきテーブルの椅子に座った二人の女性のうちの一人、黒いスーツ姿の西辻さんと目が合う。

「あ、冴島さん?」

つかつかと、彼女の前に近寄っていく。
彼女は座っていた椅子から立ち上がり、落ち着いた笑顔で迎えてくれる。

「こんばんは冴島さん、今夜はお仕事で来れないとカオルさんに聞いていました」

「すいません、思ったより早く片付いたので、遅れましたが急いできました。
 カオルは零と・・ いや、友人と一緒に来ているはずですが」

「はい、零さんと一緒にたしか一番奥の後ろの方に座っています。
 冴島さん、いいんですか? コンサートはもう半分以上終わっていますけど」

「聴かせていただきます。 チケットはおいくらですか?」

「1000円です」

「それではこれで1枚お願いします」

「あの、席は全て埋まってしまっているので、後ろの方での立見になりますけどそれでも?」

「かまいません」

「ありがとうございます、ではこれ、チケットの半券とプログラムです。
 あの、案内しますね・・・」

「ありがとう」

彼女は先に立つと、中に入る扉を開けて、黙ったままカオルと零が座っている場所とそこに近い空いている壁際を順番に小さく手差しして教えてくれる。
俺はそんな彼女に小さく頷いて会釈すると、足音をさせないよう教えてくれた壁際に素早く移動する。
俺の立つ壁際から少し離れた前方の席。
会場の座席の最後尾、それも端の方に零とカオルが二人並んで座っているのが見える。
振り返りはしないが、たぶん零は気配で俺が入ってきたのを感づいているだろう。
耳に入ってくる歌を聴きながら貰ったプログラムを見てみると後半の賛美歌も半分ほど終わり、今は街でよく耳にする 「ジングルベル」 を聖歌隊が歌っているところだった。
背中しか見えないが、カオルはたぶん目を輝かせながら歌に聴き入っていることだろう。
隣に座っているのが俺でなく零なのは残念だし少し悔しいが、カオルにとっては一人でここへ来て寂しい思いをせずに済んだことを思えば、零には感謝しなければいけないだろう。
曲が 「ホワイト・クリスマス」 「クリスマス・ブレイズ」 と、コンサートのラストに向かって盛り上がっていく。
挨拶の後 「きよしこの夜」 を会場全体で合唱し、生徒達が見送りのため先に拍手の中を退場していく。
興奮して頬が紅潮したカオルが零に楽しそうに話しかけているのが見える。

カオル、よかった、楽しめたようだな・・・

向こうむきのまま、零がカオルに何か話しかけているな、と思って見ていると、その後カオルがゆっくりと後ろを、俺の方へと振り向く。

カオル・・・

振り返ったカオルの顔が信じられないものを見たかのような驚いた表情になり、そのまま固まってしまう。
そんなカオルを優しい顔つきで見つめながら立ち上がった零は、カオルの肩を叩きながら何か声を掛け、頷く俺に二本指とウインクでサインを送り返しながらそのまま黙って帰っていった。

零、すまない・・・

視線を戻すと、コートとバッグを手に持ったカオルが席から立ち上がり俺の方に歩いて来るところで、目の前まで来ると、ゆっくりと見上げながら俺の名を呼ぶ。

「鋼牙・・・」

「すまない、間に合わなかったな、カオル」

静かにカオルに謝る。

滅多に頼み事や我儘を言わないカオルが珍しく楽しみにしていたのに、と思うと、俺は常に仕事が一番で、何よりも誰よりも優先するのをカオルはわかってくれていると頭では理解していても、それでも・・・
そんな俺の謝罪の言葉に、カオルは口をきつく結んで何かを堪えたような表情のまま、ただ黙って首を横に振るだけ。
そんなカオルを見ていると、胸の奥がぎゅっと締め付けられるように痛む。

カオル・・・

「カオル、そろそろ出よう・・・ ほら、外は寒いからコートを着ろ」

「うん」

カバンを持ってやり、コートを着るのを待って手を握り、繋いだままホールからロビーへと出て行く。
帰る人混みに、向こう側にいる西辻さんがカオルと俺に向かって軽く手を振っているのが見える。
カオルは手を振り返し、俺も軽く会釈を返して玄関から建物の外へと出る。
するとそこには、去年カオルと見たのと同じような光景。
聖歌隊の学生たちが肩を組み、身体を揺らしながら、出て行く人たちのためにクリスマスの歌を歌っていて、周りには手造りの募金箱を持った学生が数人いる。

そうだな、このコンサートはチャリティーが目的だった。

カオルと繋いでいない方の手をコートのポケットの中に突っ込み、手に触った金を掴んでそのまま募金箱の中に全て押し込む。

「ありがとうございま~す!」

札があったのが見えたからなのか、かなり大きな声で礼を言われるのが、なんだか面映ゆい。

「鋼牙、ね、今年はいくら募金したの?」

隣で募金しているところを見ていたカオルが、俺の顔を覗きこみながら訊いてくる。

「さあ・・・ チャリティーだしな、手に触っただけ全部を入れた。
 今夜はゴンザがクリスマス用の飯を作って待ってるそうだから、もう金は要らないだろ?」

「帰るのに電車代がいるよ?」

「車で来たから要らないと思うが・・・」

「でも鋼牙、駐車料金は? 持ってる? それとも要らないの?」

「・・・!・・・」

駐車場の金・・・か・・・ 

「ねえ、どうやって車を出すつもりなの?」

俺の困った様子が珍しいんだろうが、ずいぶん可笑しそうな顔をしたカオルが俺を見上げながら訊いてくる。

ふぅ~ 今回ばかりはさすがに俺も降参だ。

「・・・すまないカオル、あとで返すから貸してくれ」

「ぷぷっ! べつにいいよ、駐車代ぐらい返さなくても」

「・・・・・・」

ふっ・・・ まさか、カオルにやり込められて、金を借りることになるとはな・・・

「鋼牙?」

「カオル、帰るぞ」

「うん」

車を入れておいた駐車場に行くとなぜか若い男が数人、まるで舐めるように近づいて車を覗き込んでいたが、俺が無言で睨むとすぐに蜘蛛の子を散らすように離れていった。

「カオル、早く乗れ」

「うん」

エンジンを掛け、少し温まるのを待って車を発進させる。
カオルの差し出す金で料金を払い、ゴンザの待つ屋敷へと一路車を走らせる。
前を向いて運転をしていると、カオルの視線をずっと感じて、それで信号で止まった時横を向いて訊いてみたんだが・・・

「どうした、カオル?」

「ううん、なんでもないよ、鋼牙を見てただけ」

「・・・そうなのか?」

「うん」

「・・・・・・」


二人一緒に戻ったのを、クリスマスの料理を用意したゴンザが、いつも通りの笑顔で出迎えてくれる。

「あのねあのね、ゴンザさん、コンサートが終わって零君に言われて振り向いたらね、
 いつのまにか後ろの壁際のところに鋼牙がいたんだよ。
 それが不思議なんだけど、零君ってば一度も後ろを見てないはずなんだよね~
 それなのにどうして鋼牙があそこに来たのがわかっちゃったんだろう~?
 わたし、それがすっごく不思議で不思議で・・・」

「はははは・・ それはそれは・・・」

「今度会った時に零君に訊いてみようかな~」

「それでしたら、鋼牙様に訊けばよろしいではありませんか。
 鋼牙様が逆のお立場だとして、たぶん零様のことはおわかりになったと思いますよ?」

「え、そうなの? 鋼牙、ねぇ、ほんと? 鋼牙もわかるの?」

「ああ、わかる」

「ねぇ、どうして? 後ろも見てないのに?」

「それは・・・」

カオル、訊くのはいいが、指の代わりにフォークの先に鶏肉を刺したまま目の前に突き出すのはやめてくれ。
お前、訊くのに一生懸命になって俺の鼻先にフォークを突き出していることに気がついていないだろう・・・

「お互い魔戒騎士だからだ、気っていえばわかるか? 気配でわかるんだ」

そう答え、目の前に据えられたカオルのフォークの先に刺さっている鶏肉にかぶりつき食べると、後は知らん顔して前に向き直って食事を続ける。

「あ~~! 鋼牙、わたしのお肉~~」

「目の前に突き出すお前が悪い」

「わたしのお肉を鋼牙が食べちゃった、ゴンザさん、鋼牙がね~」

「カオル様、鶏でしたらまだまだありますから・」

「でも~」 「わたしの鶏肉~」 と、まだゴンザに向かって大きく口を開けて喋り続けている隣のカオルの口の中に切り分けた鶏肉をフォークに刺して突っ込み、反射的に閉まった口からフォークだけを抜き取る。

「それでいいだろう? 食べた分は返したぞ、いいかげんもう黙れ」

最初きょとんとした顔をしていたが、無言で口を動かしながら笑顔で俺を見て何度も頷くカオル。
そんな様子を横目で見ながら黙々と食べ続ける俺の横で、それでも懲りずに飲み込んだ後はまた別の話しを楽しそうに喋り始めるカオルを、ゴンザは楽しそうにうれしそうに見ている。

ふっ・・ まぁこんなクリスマスも悪くない・・・

食後のコーヒーも飲んで遅めの晩飯を食べ終え、カオルがゴンザにと用意したクリスマスプレゼント、ゲートボールの時に使えるように選んだ帽子とお揃いのネックウォーマーを渡すと、ゴンザはとても喜んでいた。

カオルを先に風呂に入らせ、入れ違いで俺も入って今夜はクリスマスだからとゴンザが用意したワインとチーズを持って、二階の部屋で待つカオルのところに向かう。

部屋に入りトレイをテーブルの上に置き、いつものようにカオルの隣へ座ると、ボトルを開けグラスに注いでカオルに渡してやる。

「ほら」

「ん、ありがと。
 鋼牙、ちょっと早いけど・・・ メリ―・クリスマス」

「ああ、メリー・クリスマス」

ワインを飲みながら、カオルが俺が出掛けていた間のことを順番に勢いよく話し始める。

こうなってしまったら、一段落するまではもう止まらないな・・・

やっとひと通り話し終えたのか、数杯飲んでほろ酔い加減のカオルが、ソファーの上に足を上げ膝を抱え込んで俺に凭れ、赤い顔でぼんやりしている。

そろそろ訊いてみるか・・・

「カオル、これ・・・ お前が風呂に入っている時に見つけたんだが・・・」

俺は、カオルが風呂に入っている間待っていたリビングの机に置かれていた写真、その中の気になった1枚を一番上にして机の上に置く。

「ん~~?」

少し酔いの回ったカオルが甘い声で返事しながら、テーブルの上に視線を向け置かれているものを確認していたが・・・
とろんとしていたカオルの目が、見る間に正気に戻っていく。

「なぜサンタの格好をしているのかは、今の話を聞いてだいたいわかった。
 だがなぜこんな風に・・・ 零と一緒に嬉しそうな顔をして写真に写ってるんだ?」

「え、だってそれは零君が一緒に撮ってって言うから・・・」

たぶん零からカオルに一緒に、と言って肩を抱き寄せたこんな格好で撮ったんだろう、ということはさすがの俺でも想像はつく。
だが・・・

「しかも、このスカート」

「ね、それってかわいくない? 
 零君も、西辻さんも、ゴンザさんも着たのを見てかわいい、って言ってくれたんだよ?」

ああ、可愛い。
自分でいつもお気に入りだと言っているこの白いロングブーツも履いているサンタ姿は、カオルにとてもよく似合っている。
が・・・

「すごく・・・短い」

「だから鋼牙、それは何年か前にバイトでね~」

「・・・・・・」

そうだな、バイトで着ていた衣装をそのまま持っていて、そのサンタの格好で病院に行った、さっきそう聞いて頭の中ではよくわかってはいる。
かなりの酒を飲んでもザルの俺がこれしきのワインで酔うことなどないのも、自分自身のことだから当然よくわかっている。
それに今夜はクリスマス・イブで、ぎりぎりだったがどうにかコンサートにも行くことができて、カオルとも久しぶりに会えてこうして俺の部屋で一緒にワインを飲んで楽しく過ごしている、ということも、もちろん全てわかっている。

なら、カオルの話を聞いて全て頭では納得しているのに、この写真を見つけた時から胸の中にわだかまり、もやついているこの慣れない感情は・・・

「ねぇ、鋼牙・・・」

「零は見たんだな」

俺自身が予想していない言葉が勝手に口から零れる。

「鋼牙・・・ 今すぐその服、着て見せようか? サンタさん」

なぜか怖々、という感じで下から俺を覗き込みながらカオルが訊いてくる。

「ああ」

俺の見ていないこんな恰好のカオルを零だけでなく他の奴も見たのかと思うと、俺も見たかったという気持ち、嫉妬にも似た黒い欲望は押さえようがなくて、カオルの言いだした申し出に意思に関係なくつい反射的に返事を返す自分にあさましささえ感じて嫌気がさしてくる。
だから返事をした後、カオルの前では俺もただの普通の男なんだな、と自然と苦笑が浮かんでいたんだが・・・

「・・・・・・」

「カオル?」

「今すぐ着てくるからちょっと待ってて」

そんな俺の顔を見たカオルは、何を勘違いしたのかグラスをテーブルに置くと、自分の部屋へと慌てて駆けて行った。

カオル・・・

一人残された俺がワインを飲み続けていると、勢いよく閉めて出て行ったドアを今度は音もさせないほどそろりと開けながら、写真と同じミニスカートのサンタの格好をしたカオルが、素足でスリッパを履いたまま、ブーツを手に持ち、部屋の中に静かに入ってくる。

「鋼牙・・・」

「どうした?」

「帽子も手袋もしたんだけどね、やっぱりブーツも履いた方がいい?」

「いや、べつにどっちでもいい・・・が・・・」

写真で見るブーツを履いている格好も似合っているが、丈の短いスカートから伸びるすらっとした素足は・・・

「じゃあ、ブーツは面倒だから無しにさせてね」

「ああ。
 カオル、こっちに来て続きを飲まないか?」

「ぅ、うん・・・」

そのままブーツを入口のところに置くと、どこか変な歩き方でソファーに来て横に座る。

「ほら」

「あ、ありがと」

俺がさっき変な事を言ったせいで、せっかく気持ち良さそうに酔っていたカオルが・・・

「カオル?」

「あ、あのね、これ、鋼牙にクリスマス・プレゼントなの。
 気にいってくれるといいんだけどな」

ソファーの向こう側、俺の見えないところに置いてあったらしい赤の包装紙に金のリボンのかかった包みを俺に差し出す。

「開けてもいいか?」

「うん、いいよ」

リボンを解き開けてみると中からは・・・
渋い赤を基調にした大きなチェックの膝掛けと、一見黒一色の中にところどころ細い、本当に細い色目の少し違う黒い糸が織り込まれているウールのマフラー。

「あ、あのね、鋼牙はいつも家の中でも黒スーツで、
 外に出かける時も上にはあの白いコートしか着なくて、
 わたしが何度訊いても寒くない、って答えるのもよ~くわかってはいるんだけど。
 でも、書斎で仕事する時に膝掛けぐらい使ってくれないかな~
 もし、私服で出掛ける時があったらその時はマフラー、使ってくれないかな~
 そう思って選んだんだけど、鋼牙はそれ、気にいらなかったかな・・・」

そんなこと・・・ 

「カオル・・・」

「もし気にいらなかったならごめんね」

「カオル、よく見ろ、今の俺は私服で、お前はサンタなんだ。
 プレゼントのこのマフラーを俺に巻いてくれ」

「うん、でも鋼牙は私服って言うけど・・・ ぷっ それってパジャマだよ?」
 
「いいから・・・ カオル、巻いてくれ」

「わかった、巻いてあげる」

立ち上がったカオルが俺の手からマフラーを取り、ゆっくりと巻いてくれる。

「ねぇ、巻いたけど・・・ どうかな? 少しは暖かい?」

目の前に立つカオルに手を伸ばして腰を引き寄せ、俺の膝の上に座らせると、そのまま首の後ろに伸ばし廻した手で顔を引き寄せ、深く口づける。
舌を差し込み絡ませあい、深く貪り求めあって・・・
お互いの熱い吐息を感じながら静かに顔を離す。
俺が開けた後もまだ目を瞑ったままのカオルの耳にそっと口を寄せると、耳たぶを舐め銜えたそのままで、吐息と一緒に掠れた声で返事を返す。

「ああ、暖かい」

「んん~ ぁん・・・」

「カオル・・ ありがとう」 

そのまま唇を首に沿って滑らせながら、右手を膝から太腿の付け根に向かって這わせ始める。

「ぁぁ・・ は・・ぁ・・・」

思わず仰け反るカオルの頭からサンタの帽子がソファーの上にポトリと落ち、首から下に少し下げて支えようとした左手に予想していなかった手触りを感じた俺は思わず動きを止めてしまう。

「・・・?・・・ 鋼・牙? どうしたの?」

「カオル・・・」

「え・・・ なに?」

膝の上のカオルの身体の向きを変え背中が目の前に来るようにする。
すると・・・

「このファスナーは? どうして途中までで残りが開いてるんだ?」

「あ・・・ そ、それはね・・・」

「しかもカオル、この薄い衣装の下、何も着ていないのか?」

「だって、さっき慌てて着てる時ファスナー上げてたら下着を噛んじゃって・・・
 苦労してどうにか一度下ろしたんだけど、また噛んじゃいけないかなって思って、
 それで下着を脱いでそのまま素肌に着てみたの。
 でもね、ファスナーが壊れちゃったみたいで、
 今度はさっき噛んだところまでしか上がらなくなっちゃって。
 それで、わたし・・・」

だから部屋に入ってきた時、どこかぎこちない歩き方をしていたのか・・・

背中の真ん中あたりで止まったままのファスナー。
そこから上、ちょうど背中の上半分の白い素肌が閉まっていないところから剥き出しになって覗いている。

「・・・あ!・・・ 鋼・・牙・・・」

開いた目の前の背中に顔を寄せ、唇を這わせながら何度もキスを落とし、そのままカオルに謝る。

「悪かった、寒いのに俺のせいでこんな恰好をさせて。
 カオル、身体がすっかり冷えてしまったな」

「あ・・・ぁん・だい・・じょ・・ぶ・だ・・よ・」

膝からソファーの上にカオルを下ろし、掴んだ瓶からそのまま口に含んだワインをカオルに口移しで飲ませる。

「ん、んん~ こ、鋼牙・・」

「いいから飲め、少しは身体が温まるはずだ」

そのまま何度も瓶を傾け、カオルにワインを飲ませる。

「こ、鋼牙、もういいよ、これ以上わたしもう飲めない・・・」

「それなら・・・」

カオルを抱えあげ、ベッドに運び横向きに寝かせる。
下ろしたカオルの背中、途中で止まったファスナーを下まで下ろし、サンタの衣装を脱がせてしまうと、俺も上に着ていた物をまとめて脱ぎ去り上掛けを引き寄せながらカオルの横に滑り込み抱え込む。

「俺はお前にクリスマス・プレゼントを用意する暇なんて無かった。
 だから・・ 今夜一晩を、お前のために」

「鋼牙」

「メリー・クリスマス、カオル」

「メリー・クリスマス、鋼牙」

二人のクリスマス・イブ、それは今始まったばかり・・・



コメント
ブーツを履いてしまったら、あとで脱ぐのに困るかな・・・ からの素足ミニスカサンタだったんですが、編みあげブーツもいいけど、素足スリッパもGJ というコメントをいくつも頂きました。
ははは・・・ こんなにまでたくさんの人に突っ込まれるとは思いませんでした。
是空様の零君、すっごく大好きですよ~
管理人ももう少し文才があれば零君メインで書いてみたいな~ って思うことありますけど、でもまあ、今回ぐらいが精一杯ですね。
もし時間があったら今回のおはなしの零君バージョンを書いてみたいものです。
いつになるかはわかりませんけど、書けたらその時はこっそりと送りますので、読んでみてくださいね。
それでは~ (*^_^*)
【2013/01/14 16:20】 | なな #- | [edit]
やはり・・・ (*^_^*)
お名前の無いコメントが数件有って、文面からたぶんかなまま様だろうな~とは思っていたんですが、一応ね、返信は控えていました。
あっはっは・・・ 家族に呆れられようがどうだろうがいいんではないですか?
自分が好きならいいと思いますよ。
思う存分浸りましょうよ、どっぷりと。
そして、スリル・ミーですか・・・
管理人も行きたいんですけどね、3月、しかもあの日程はさすがに間が悪くて行けません。
残念ながらちょうど春のお仕事真最中です。
チケット、今からでも取れればいいですね、祈ってます。
【2013/01/07 03:11】 | なな #- | [edit]
明けました (*^_^*) おめでとうございます <m(__)m>
そ、そうですか~?
こんな作文しか書けませんが今年もよろしくお願いします。
【2013/01/07 02:41】 | なな #- | [edit]
ひとこと、いや、もう少しだけ返信を。
ありがとうございます。
めげずに頑張る! 信じて待っててぇ~!
【2013/01/07 02:38】 | なな #- | [edit]
わははは・・・ ジェラ鋼牙、待ってた人もいたんでしょうかね~?
だとしたら期待を裏切ってしまったのかもしれません。
おお~ 3Dのテレビ! 欲しい~! 鋼牙のとび蹴りくらいたい~! 
いいなぁ・・・ 羨ましいです。
【2013/01/07 02:34】 | なな #- | [edit]
今、am2:01なんですが、この後の朝仕事に行って帰ったらやっとお休みが1日取れます。
身体よりも気分的にまる1日寝て過ごしたい・・・んですが、すること満載で現実はそうも言ってられません。
おはなしを書くのも書き手さんによっていろいろだから、基本コメントを送る人もいろいろでかまわない、とは思ってます。
まあ、さすがに今回はショックでけっこうめげて凹みましたけど、でも、他に、こんな作文でも続きを待ってます、とコメント送ってくれてる人がかなりいたのでそっちの声を励みに頑張ることにします。
心太様、ありがとう。

【2013/01/07 02:26】 | なな #- | [edit]
え~ 2話目は、つぶやきに訳を書きましたが書きましたが、鋼牙目線からのスタートです。
そして続きも、諸事情から急遽書くことになった、わけでありまして・・・
もう少しお待ち下さりませ、なんとか頑張るので。
【2013/01/07 01:53】 | なな #- | [edit]
新年明けましておめでとうございます、旧年中は、大変お世話になり有難うございました、本年もよろしくお願いします、昨年からのつづきのクリスマス、今年のクリスマスに続く余韻を残されていますが気長に待ちますの続きを期待してます。2月の冴島鋼牙最後の映画を励みに日々精進しています、家族に半分呆れられて、見放され状態ですが、気にしません、30日のららら本当に良かった、スリル。ミーの4人組本当に最高、見たい見たい、東京今からチケットと取れるか、いい席ないな、ああああ頭痛い、新年の挨拶がおくれてすみません、元旦につぶやきにご挨拶をしたはずなのに・・・・上手くおく、れてなかったみたいです、どこか抜けていますが本年も宜しくお願いします、
【2013/01/05 13:49】 | かなまま #- | [edit]
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