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Soon

冴島家のある日の夜中、カオルの妊娠篇です。
さ~て、今回は・・・?
では、夜半の冴島家へ。
こっそり、ひっそり・・・ いってらっしゃいませ。





      ・・・ Soon ・・・
                       <11.20.2012>

「あ――!! 痛っ! いたたたたぁ――! わ、わ、わ、わぁぁ~~!」

深夜の寝室に響き渡る、けたたましい叫び声。

仕事を終えやっと戻って来た俺が、先に寝ているカオルを起こさぬようそっと隣に身体を潜りこませ、たぶん寝入ってすぐ。
寄り添ったすぐ隣からいきなり上がった叫び声に、俺は瞬時に目を開け身体を起こし、その叫び声の主であるカオルにどうしたのかと訊いてみる。

「どうしたカオル!?」

「あ、あ、あ、脚、脚! 脚が攣った! 右の脹脛~! こ、鋼牙ぁ、助けて!」

脚が攣った・・・ 脹脛? 

「・・・!・・・」

耳から入ったことばが、瞬時に頭の中で意味を成す。
俺はすぐに掛け布団をはね上げ、横向きのまま変な格好でなんとか手を伸ばそうとしているカオルの右脚にすぐに手を伸ばす。

「カオル、少し痛いが足首を立った時のように曲げるぞ」

「ぅ~~・・・ ぅ、うん・・・」

カチカチになって引き攣っている右脚の脹脛をさすりながら、足の裏ごとわし掴んで伸びたままになっている足先を立っている時のようにくの字になるよう戻していく。

「・・・・・・」

「いたぁ~い、鋼牙、いたいたいた・・・ あ~ っはぁ~・・・」

「これでどうだ? まだ痛いか?」

「はぁ・・・ あ~ 治った~ 
 ううん、もう大丈夫・・ 鋼牙ありがと、よかった~ 鋼牙がいて助かった~」

横向きだった身体を仰向けに戻して、傍らに座っている俺を見上げながらカオルがホッとした顔で大きく息を吐いている。

父親学級に参加した時聞いていたし、読んだ雑誌にも妊婦の経験談として載っていたから知ってはいたが。
そうか、本当に出産が近づいてくると、寝ていても突然脚が攣ったりするんだな。

「カオル、さっきのようにもう一度横を向けるか?」

「え? う、うん、それは向けるけど、どうして?」

「いいから、もう一度横を向いてみろ」

「ん~ わかった・・・ よっこいしょっと」

まさにゴロンという音が聞こえてきそうな感じで、もう一度向こうむきに横になったカオル。
その身体の上に冷えないよう布団を掛けてやり、脚だけを出したようにしておいて、俺はカオルの足先の方に座り直す。

「鋼牙?」

「また寝ている間に攣ったら困るだろう?
 揉んでやるからカオルは目を瞑ってろ。
 眠くなったらそのまま気にせず寝ればいいから」

「え、でも鋼牙も寝ないと。
 鋼牙、朝が早いのに戻ってきたの遅かったんじゃないの?」

「俺のことはいい・・・ カオル、黙って目を閉じていろ」

「・・・うん・・・鋼牙ありがと」

下になった方の脚から先に、足裏から腿に向かってゆっくりと揉んでいく。

やはり前に聞いたように少し浮腫んでいる・・・
一日中こんな腹を抱えているんだ、しかたがないか。

「ん~~ ぁ・・気持ち・・い・い~・・・」

「・・・そうか」

「う・・ん」

「重いものな」

「・・・え・・・ 何が重いの?」

「赤ん坊・・・カオルの腹のことだ」

「え?」

「カオルのお腹が大きくなっていくのをずっと目にしていたのに・・・
 もっと早くに気付いてやれなくて悪かった。
 さっきのようになること、
 前に父親学級の時の注意で聞いていたなのにすっかり忘れていた。
 すまなかったな、カオル」

「鋼牙・・・ 
 ううん、別にいいよ、そんなふうに言わなくても」

「今でもかなり大きいのにまだ腹は大きくなるんだろう?
 カオル、俺ができることで他に何かやって欲しいことがあるならやってやるし、
 何も無い夜は、寝る前にできるだけこうやって揉んでやる。
 もし俺が忘れていたら遠慮なく言えばいいからな、いいな」

「それはうれしいけど、でも・・・」

「カオル、夫婦で子供を授かる、と言うがな、
 負荷がかかるのは精神的にも肉体的にも一方的にカオル、女のお前の方だろう?
 男の俺がお前にしてやれることは限られているからな。
 俺にはこんなことぐらいしかしてやれないし、それさえも毎晩という訳にはいかない。
 だからカオル・」

「ううん、十分だよ鋼牙、ありがと。
 じゃ、鋼牙のせっかくの申し出だし、出産までの間だけ甘えてお願いしてもいい?」

「ああ」

「・・・うふ・・うれしい・・な・・・」

「カオル?」

「鋼牙・・・すご・・く・・・やさし・・く・て・・・」

「・・・・・・」

「も・・・す・・ぐ・・・か・・・ぞ・・・く・・・

 ・・・・・・・・・・・・」

「カオル?」

「・・・すぅ――・・・・・・すぅ――・・・・・・すぅ――・・・・・・」

今喋っていたのに・・・
こんな脚を少し揉むぐらいで寝てしまうほどお前・・・

寝てしまったが、もう一方の脚もそれからもうしばらくの間かけて同じように揉んでやる。
両方の脚を揉み終わると、布団を直し横向きに寝ているカオルの後ろから寄り添うように俺も身体を横たえる。
そして・・・ 
布団の中から右手をカオルの身体に廻し一度大きく膨らんだお腹を撫でた後は、投げ出されたカオルの右手にそっと俺の手を重ね起こさぬよう軽く握って。
カオルの髪にキスを落とし、静かにそっと目を閉じる。

家族・・・か。
そうだな、カオル・・・ もうすぐ・・・


 
作文1 | コメント(3) | トラックバック(0) | 2012/11/24 00:00
コメント
かなまま様
ええ~ なんですって~! \(◎o◎)/!
ニコニコが・・・ ぇええ~
ここでは詳しいことは長くなるし書けないので、来週是非お会いしましょう、お話ししましょう。
でも、その前にまずはアドレスの方を早めによろしくお願いします。 
では。 <(_ _)>
selfish様
あははは・・・
うちの鋼牙さんは、マメといってもいいんですが、なんていうのかな? 
優しくて、誠実で素直? すぐに行動に移すんですよね~
鋼牙、気が抜けない・・・ そうかもしれませんです。 むふふ
心太様
おお~ やはり経験者は管理人だけではなかったんですね。
あれは本当に痛い。
ふだんなら楽勝の場所(足先)なのに、臨月に近付いていったん寝転ぶと・・・ 届かな~い!
まさに、トドの気分でしたっけ。 (T_T)
そうか~ なるほどね、冴島家ならマッサージ・チェアの一つや、二つや、三つや、四つ・・・ 買うのはお茶の子さいさい、ゴンザさんならすぐ買いに電気屋さんへ走りそうですが、たぶん二人で毎晩、なので耳に入ることなく終わるんだろうなぁ~ と想像してしまうのは、はたして管理人だけなのか?
あ、心太様、最近のハンディ・マッサージャーを侮ることなかれ、ですよ~
5000円弱でとっても良いものがあったりしますから。 
そういう管理人も愛用者です、はい。  (*^_^*)

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