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On that night of the birthday

Category: 作文1  

零からは写真立て。
ゴンザからはオルゴール。
そして鋼牙からは紅いバラの花束・・・ それと、まさかのプロポーズ。
いろいろな幸せを贈られたカオルの誕生日も、やがて夜は更けて・・・
鋼牙の部屋で二人はどんな夜を過ごすのか?
ちょこっとだけ覗いてみましょうか・・・ ね。

Before the birthday that 
With KAORU, the birthday, and the bouquet 
の、続編です。




 
   ・・・ On that night of the birthday ・・・
                                  <10.29.2012>

風呂上がり、いつものように水のボトルを持って部屋に向かう。
ただ、少し違うのはその本数が今夜は1本でなく2本・・・ だということ。

ガチャ・・・

「あ、鋼牙」

ソファーに座り、パジャマの上にカーディガンを羽織ったカオルがスケッチブックに鉛筆を走らせている。
テーブルの上にはグラスに入れられた俺が贈った花束のバラが一本と、ゴンザに貰ったオルゴールが置いてあるところをみると、たぶんどちらかを描いているんだろう。
カオルの横に座り、飲みかけのは手に持ったまま、そして口を開けていない方のボトルはテーブルの上、端の方に置いて横を見てみると、もう少し、と言いながら描いているカオルの視線の先がオルゴールに向いているのに気付く。

「オルゴールを描いているのか?」

「うん」

そういえば、と、昼間気になった事を訊いてみる。

「カオル、ひとつ訊いてもいいか?」

「いいけど、なあに?」

「そのオルゴール、ゴンザがお前に贈ったのには何か理由があるのか?」

「え、なんでそう思うの?」

手を止め、驚いた顔を上げて逆にカオルに訊き返される。

「昼間、ゴンザに貰った時にたしか 『前にわたしが言ったこと覚えて』 だったか・・・
 そう言っていなかったか?」

「そういえば言ったかも。
 鋼牙、わたし前に言ったことがあるよね。
 お母さんはわたしが小さい頃に病気で死んじゃって、お父さんは・・・
 ずっと絵ばかり描いてて、家や家族のことを振り返るような人じゃなかった、って」

「・・・ああ」

「わたしが小さくてまだお母さんが生きてた頃、お母さんがすごく大事にしていた物があってね。
 これお父さんがくれたのよ、って・・・
 いつも言う度嬉しそうに、大事に、とても大事にしていたのがね・」

「それが、オルゴールなのか?」

「うん、そう。
 でも、こんな立派で豪華なものじゃなくて、もっと安物だった・・・と思うんだよね」

「そのオルゴールは? 今はもう持っていないのか?」

「ん・・・ しかたないんだけどたぶんお父さんが死んだ後のどさくさかな?
 落ちついた時にはどこかにいっちゃって失くなってた」

「・・・そうか」

「前に鋼牙のお母さんの真珠を借りたことがあったでしょ?
 その時にお母さんの話になってね、オルゴールのことをゴンザさんに話したんだけど。 
 ゴンザさん、その時の話を忘れずに覚えててくれたみたいで。
 お母さんの持ってたのと同じ曲が入ってるのを探してくれたみたいなのよね」

「オルゴールの曲、ピアフの 『愛の賛歌』 だな」

「鋼牙、知ってるの? この曲」

「ああ、昔よくゴンザが聴いていた曲の中のひとつだからな」

「・・・ねえ鋼牙、いつかの曲みたいにこの曲も歌える?」

「歌ってほしいのか?」

「だって、オルゴールのところしか聴いたことないからどんな曲なのかなって思って・・・」

「そうか」

目を閉じ、昔聴いた記憶を辿り思いだす。

すぅ――・・・

♪~
Le ciel bleu sur nous peut s'effondrer
Et la terre peut bien s'ecrouler
Peu m'importe si tu m'aimes
Je me fous du monde entier
Tant que l'amour inondra mes matins
Tant que mon corps fremira sous tes mains
Peu m'importe les problemes
Mon amour puisque tu m'aimes


「ふぅ・・ たぶん合っていると思うが、こんな感じか・・・ 
 すまない、この歌は俺も最後までは覚えていない」

「ううん、十分だよ・・ ありがと、鋼牙。
 そっか~ こんな曲だったんだ。
 ね、歌えるぐらいだからどんな意味の歌詞なのかも知ってるの?」

「いや、情熱的な愛の歌だと聞いた記憶はあるがそれ以上は知らない。
 カオル、明日にでもゴンザに訊いてみたらどうだ?
 レコードで聴いていたぐらいだからたぶん詳しく知ってるはずだ」

「そうだね、うん、そうする」

そう言ったきり、カオルは目を伏せ膝の上に置いた自分の手を見つめて、黙ってしまう。

「・・・カオル」
「・・・鋼牙」

俺がカオルの名を呼んだのと、カオルが顔を上げながら俺の名を呼んだのはほぼ同時。
目を合わせ、驚き見つめ合って、お互いに声を出さず口元に笑みを浮かべて微笑みあう。

言葉は・・・要らない。
無理に言葉なんかなくても・・・

静かに持ち上げ、耳の下に差し込み頬を撫でる俺の手に、自分の手を重ねたカオルがほんの少しだけ首を傾げて目を閉じる。

「鋼・・牙」

「・・・・・・」

小さく俺の名をつぶやくその唇に、呼ばれた俺はそっと顔を寄せ、唇を重ね、ゆっくり深く口づけて応える。

「ん・・・ぅ・・・」

お互いの唇を食み、舌先で突つきあい、差し込んだり差し込まれたりして絡めあい・・・
俺は絡め取ったカオルの舌を吸い上げ、甘噛みして、敏感に感じる口蓋に舌を這わせ、その奥深くまで擦り上げる。

「・・ぁ・・・はぁあ・・・」

息次をしながら、何度も何度も角度を変え、卑猥な水音を立てながら繰り返し繰り返しお互いを求めあう。

カオルの・・・ 俺の手の上に重ねていた手は、そのまま俺の手首から腕を伝って身体へと・・・
膝の上にあったもう一方の手も、自然と身体の前に持ち上がり、両方とも俺の胸の前に当てられていた、が・・・
求めあいだんだんと深くなっていく口づけに、そのまま胸から這うように上がっていって。
今では俺の首にきつく廻されて、まるで縋りつくような格好になっている。

どれぐらいそうしていただろう・・・

ゆっくりと顔を離し目を開けると、カオルはまだ目を閉じ、口を薄く開いたまま。
とてもゆっくり、静かに息を吸い込み、そして吐き出している。

カオル・・・

目元に小さくキスを落とし、そのまま頬を重ねるようにして腕の中に抱き締める。

俺の、カオル・・・

「鋼牙・・・」

「ん?」

「なんだかわたし・・・ 昼からずっと夢の中にいるみたい」

「夢の、中?」

「・・・うん、だって鋼牙が・」

「カオル、そのセリフ、そっくりそのまま今の俺のセリフだ。
 今夜の俺は・・・ 夢の中にいて、たぶん、かなりタガが外れていると思う」

俺の腕の中、そのことばに急に胸に手をつき身体を離し、驚いた顔のカオルが俺を見上げる。

「ウソ・・・ 鋼牙が?」

「ふっ・・ 嘘じゃない」

「・・・ほんとに?」

「ああ」

「・・・・・・」

「カオル、俺の言うことが信じられないか?」

「ううん、そんなことないよ。
 だって鋼牙、言わないことはあっても絶対に嘘は言わないもん。
 でもね・・・ 
 きゃっ!」

何も言わず、カオルの身体をいきなり抱きあげ、そのままベッドへと運んでいく。
ベッドの上にカオルをおろすと、俺もまたそのままベッドに上がり、座っているカオルの前に膝立ちになって、チュッと音がする、そんなキスをひとつ落とす。

「夢みたいだと思っているのはお前だけじゃないってこと、
 今夜一晩じっくり時間をかけて、俺が身をもってこれからお前に教えてやる。
 カオル・・・」

「鋼牙ぁ・・・」
 
俺は上に着ていたものを脱いで床に落とすと、カオルをベッドに押し倒し、その上に少し身体を浮かせたようにして腕を身体の両脇につくと、優しくカオルの髪を梳きながら目を見つめて・・・

「カオル、好きだ・・・」

「・・・・・・ぅ・・ん・・・」

涙が滲み溢れだしたカオルが、手を伸ばし俺を引き寄せるまで、俺はカオルを見つめ続け、そして・・・

 2012_11_03

Comments

お久しぶりです、美春様  

コメントして頂いた方々は、皆さん誰一人として忘れてなどいませんよ~ (*^_^*)
(コメントは、一人ずつ分けて整理してありますしね。)
こんなサイトでたいしたものなど書けてませんが、いつでも気ままにふら~っと遊びに来てもらえればうれしいです。
> 最後のそして…の後がき、気になる…
あっはっは、そうですか?
まあ、無条件に甘くて情熱的な夜になるのは・・・ 必至でしょう。
(サイトにはUPしませんけど、続きのカキコはちょこちょこ仕掛けてるところです。)
では、身体に気をつけて、お仕事頑張ってくださいませ。 
なな  URL   2012-11-12 00:04  

Re: 

こんばんは、お久しぶりです。美春です。覚えてますか?最近仕事が忙しくてなな様の小説をまとめて読んでます!なな様も忙しそうですね。また遊びにきます。最後のそして…の後がき、気になる…
美春  URL   2012-11-07 23:32  

かなまま様、こんばんは 

> まだまだ続く余韻をのこされていますね

う~ん それはそうなんですけどね・・・
この続きとなると、さすがにディープな大人の世界になってしまうので、今回はたぶんここまでですかね。
御期待に添えなくてごめんなさい、です。
なな  URL   2012-11-06 22:44  

「誕生日プレゼントは〇〇!!」 

こんばんは、べに様。
あ~ そっか~ UPし損ねてますか・・・ (^◇^)
別に無茶な催促じゃないですけど、っていうか、たいがいほとんどのおはなしは完結するよう最後まで書いてるので、今回も時間はかかりますけど、頭の中の映像が消えない限り、これもたぶんUPしないお蔵入り(プライベート)として、最後まで書くのは書くと思います。
ただその場合、本当に好き勝手に書き散らかすので、文自体もかなり雑だし、内容が過激なこともあってUPはしませんけど? です。
あ、もうひとつの件でメールを送りましたので、よろしくお願いします。


なな  URL   2012-11-06 22:33  

ママ様!? 

おおっと、PCリニューアル! いいなぁ~~
管理人のノートPCは、酷使の連続で最近変な唸りを上げておりまする。
「愛の賛歌」ですが、ピアフの曲を、昔のことなのでカセットに入れて持っておりまして・・・
雰囲気があって好きなので、今回ちょっと使ってしまいました。
もう、あとは、こんなだったらいいのにな・・・ の、管理人の妄想でございました。
あの鋼牙のセリフは・・・ 1時間ぐらい唸ったにもかかわらず、何も思い浮かばなかった、管理人の苦肉のセリフでございます。 
お察し下され。  <(_ _)>

なな  URL   2012-11-05 12:50  

どうも、ki-様 

オリジナルに反してのあまあまムードでございますが・・・
ども、ありがとうございました。
なな  URL   2012-11-05 12:40  

こちらこそ、ごちそうさまです 

そりゃあもう、ね、とらこ様、この場合、甘くもなりますでしょう?
なにしろ、勝算はあったにしろ、OK貰った夜ですもん!
ということで・・・ 後光がぱねぇぇっす! です。 (使い方、合ってるかな・・・)
なな  URL   2012-11-05 12:38  

心太様、コメントに燃えました 

心太様の理想、しかと聞かせて頂きました。
なるほど、なるほど・・・ 納得です。
ふだん言葉が足りなくてカオルちゃんが!? の鋼牙ですもんね・・・
そうだ! 下手な小細工は要らないぜぇぇ~っと!
ぅあ~ この後の二人はどうなっちゃったんでしょうね~~~?
いろいろ妄想しちゃいまする。
なな  URL   2012-11-05 12:33  

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GAROと彼の人をこよなく愛しつつ、のんびりまったりと想像妄想した作文をUPしています。

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