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The casual afternoon of one day (Morning sickness)

たぶんちょっと先の・・・ 冴島家のある日の午後、です。
こんな光景が、見れたらいいな・・・  
そう思いませんか?  (*^_^*)

While hearing ・・・♪
 ”スナック・ラ♪ラ♪ラ” #1 ~ 4
 ”rain stops, good-bye” by.事務員G



   ・・・ The casual afternoon of one day (Morning sickness) ・・・
                                                   <6.8.2012>

ガッ・・・

『おい鋼牙、カオルとゴンザ、まだ帰ってないみたいだな』

「そのようだ」

鍵を取りだし、ドアに差し込んで開け中に入る。

『毎度のことながら、病院ってところは時間がかかるところみたいだな』

「そうらしい。
 俺は行ったことが無いからよくはわからないが、
 ゴンザが言うには、1時間2時間待って診察が5分なんてこともけっこう普通らしい」

『ふ~~ん・・・
 病院ってとこは、痛い思いをしてる奴らが悪いところを治しに行くところなんだろう?
 それなのに、調子の悪い時にわざわざ出掛けて行ってそんなに長い間待ったりしていて大丈夫なのか?』

「それは・・ 俺に訊くな。
 それとザルバ、今日カオルは定期健診に行っただけだから別に、心配する必要もないと思うが?」

『そういえばそうだったな』

コートを脱いで洗面に行った後、リビングに行く。
ソファーに座り、ゴンザとカオルが帰って来るのを待つことにする。

『カオルのやつ、なんだか最近顔色が悪そうだな』

「妊娠初期によくなるらしいが、悪阻、というものらしい。
 匂いのきつい食べ物などは嗅ぐだけで気分が悪くなるらしい。
 極端に食べられる物とそうでない物が、今の時期はっきり分かれる、とゴンザが言っていた。
 しかもその日の調子によっては、食べられるものでも、食べてもすぐもどしてしまうこともあるらしい」

『ふ~ん・・ それは難儀だな。
 なるほど、だから最近食べる時、いつものお前さんの隣の席から離れたところに座ってるってわけか』

「ああ。
 俺が食べる魚や肉の匂いが鼻につく、と言っていた。
 だがまあ、それもゴンザが言うのには、もうじき落ち着くはず、らしいが」

『まったく・・ 人間、というのは摩訶不思議な生き物だな』

「ふっ・・ たしかに」

匂うものが近くにあると気持ち悪くなるから、と、食べる時、ダイニング・テーブルの席を俺から離れたところに移して、ゴンザが工夫した野菜中心のメニューを、なるべく冷ましてから少しだけでも食べようとしているようだが。
それでもここ何日かはほとんど食べれていないようだ。
さすがに今回ばかりはカオルの体調次第だから、身体が受け付けないものを無理矢理食べろ、とも言えない。
ゴンザも一時的なものなので心配ない、と言っていたから大丈夫だとは思うが、それにしてもつらそうだ。

ガチャ・・  バタン・・・

ん・・ 帰って来たのか。

しばらくすると、ドアを開け、カオルが入ってきた。

「あ、鋼牙、ただいま~ 先に帰ってたんだね」

「おかえり・・ ああ、少し前にな。
 カオル、病院の健診はどうだった?」

「うん、え~とね、ちょっと体重がいきなり減り過ぎてて・・
 ”ほとんど食べれてないなら点滴1本だけしましょうか? 楽になりますよ?”
 そう、お医者さんに言われたから、我慢するのはやめてしてもらっちゃった。
 だからね、今はすこ~しだけ身体が楽なの」

「そうか、無理するなよ」

「うん」

「鋼牙様、遅くなりました。
 申し訳ございません、すぐに昼食の用意をしますので」

「ゴンザ、昼からは家に居る。
 だからそんなに慌てなくていいからな」

「はい、では・・・」

ゴンザはキッチンの方にすぐに行ってしまった。

「ふぅわぁあ~~」

「どうした、眠いのか?」

「うん、点滴の途中ぐらいからすごく眠くて。
 朝はサラダを少しだけしか食べれなかったんだけど、やっぱり点滴のおかげかな~?
 食べてもないのに、お腹がいっぱいになったような感じがするんだよね~」

「そうか」

カオルの顔を見てみると、気のせいか? 心持、朝より少しだけだが顔色がいいような気がする。 
すると、隣に座っているカオルが、また欠伸をして目を擦りながら俺の方に凭れてくる。

カオル?

「お昼寝、鋼牙と一緒にしたいなぁ~・・・」

「・・・・・」

「あ、ごめん、大丈夫だよ鋼牙、気にしないで。
 お昼に少しだけでも何か食べたら、上に上がって一人でお昼寝してくるから」

「カオル・・」

『カオル~~ 鋼牙は今取り立てて急ぎの仕事は無いはずだ。
 もっとう~んと頼んでみろ、たぶん一緒に寝てくれると思うぜ』

「え、鋼牙、そうなの?」

「ん・・ まあ、どうしても、とカオルが言うのなら、そうしなくもない・・か」

「ほんと? それって、うれしい~
 ね、じゃ~あ~ 鋼牙、一緒にお昼寝してくれる?」

『ああ、喜んで』

「ザルバ! お前、俺の真似して喋るなと何度言えばわかる」

『お? 違うのか? 俺様はてっきりそうだとばかり?』

「もう、黙ってろ。
 カオル、昼飯の後は一緒に昼寝だ、それでいいな」

「うん」

うれしそうに笑いながら、俺の左腕を抱きこむようにしてしてさらに身体を凭れさせてくる。

おい、カオル・・・

え、なあに? ザルバ

鋼牙はたしか匂うんじゃなかったのか? 一緒に寝ていて吐かないか?

あ、それはね、ザルバ・・・ 鋼牙の匂いだけはいいの、全然平気。
 だって、鋼牙の匂いって、わたしすごく好きだし、安心するし、だからね~
 ・・って、鋼牙?」

「おい、何を話している・・・」

カオルに抱きこまれていた左腕をやんわりと抜く。

「昼飯食ったら昼寝なんだ、別にかまわないだろ」

ザルバを指から外すと、テーブルの上に置いてあった箱の蓋を開けてさっさとしまい込む。

まったく・・ 最初からこうしておけばよかった。

閉めようと蓋に手を掛けた俺の手を押さえたカオルが、箱に顔を近付ける。

「カオル?」

「ザルバ、言ってくれてありがと」

『なぁ~に、気にするな、ゆっくり身体を休めろよ、カオル』

「うん、じゃあね、ザルバ」

俺から手を離したカオルに、ザルバが片目を閉じてウインクしているのが、蓋を閉じる前に見て取れた。


ほどなく、ゴンザが準備が出来たと呼びに来て、昼飯を食べる。
カオルは少しだが、野菜ジュースとサンドイッチを食べている。

「カオル様、お好きなモノ、食べれそうなモノをなんでも仰ってくださいませ。
 今は欲しいものを少しずつでも食べれさえすれば良いのですから・・」

「ありがとう、ゴンザさん」

ゴンザがいるから、カオルの事は任せておけば大丈夫だろう。
俺は俺のできることを・・・

「カオル、そろそろ昼寝をしに上がるか?」

「うん」

転ばないように手を繋いで俺の部屋へ行く。
服のまま寝転んで、寄り添ってくるカオルをやんわりと抱きしめる。

「ん・・ 鋼牙の匂い・・
 安心するな・・・
 ごめんね、鋼牙、付き合わせちゃって」

「気にするな、俺もそろそろ少し休もうと思っていたところだ」

「ありがと。
 おやすみ・・」

「ああ、おやすみ・・」

目を閉じたカオルは、元から細いのに、本当に少し痩せたな、と思う。
代わってやれるものなら代わってやりたいが、無理なものはしょうがない。
俺に今出来るのは、カオルが少しでも安心していられるようにすること、こんなことぐらいだ。

カオル、おやすみ・・・
束の間の休息を。

髪に触れるだけのキスを落とすと、もう寝息を立て始めているカオルの温かさを感じながら、俺もまたゆっくりと意識を手放した。


作文1 | コメント(2) | トラックバック(0) | 2012/06/09 00:35
コメント
そんなことありますか?
う~ん・・ うちのザルバくんは、常に左手にいて、カキコ中に勝手に喋ってきますからね~~ (^_^)
『おい、管理人、そこはなぁ・・・』
一二三さん、詳しいザルバくんコメは、後ほどメールにて。
いらっしゃいませ、りのん様
う~ん・・・ なかなかメインの出産まで行きませんが、もう少しその前に書きたいことがあるもんで、もう少し・・ ですかね。
子供でも大人でも不安な時、体調が悪い時って、頼れる物や存在が側に有ったり居るだけで落ち着きますよね。
ほんと、側にいるだけ、どこか身体の一部が触れているだけ、のスキンシップが案外落ち着くし、普段から重要なんだと思います。
言葉が少なくてもそこに居るだけで、の存在が有って、居るのは嬉しいし落ち着きます。
クマのぬいぐるみ然り、家族や恋人の存在もまた然り。
悪阻って、ほんと好みが超偏るんですよね・・・
まあ、全然何もなかったり、軽かった、と言う人がほとんどですが、管理人の知っているのでも、キュウリばかり食べていた人、牛乳とトマトしか食べれなかった人、食パンのなぜかミミしか食べれなかった人、そんな人をいますもんね。 (苦笑)
映像では絶対無理ですけど、鋼牙が優しい目と表情をしてカオルちゃんのお腹を撫でている・・・ なぜかそんなイメージが頭の中に浮かぶのは管理人だけではない、と思いたいです。

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