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Eve of the beginning of spring ~節分~

『カオルが豆まきをやりたいって言い出したら、
 こういうとき、鬼になるのはゴンザさんでしょうか、それとも鋼牙?
 3人だけの豆まきだったらどうなるんでしょう。
 想像しやすいのは、零や邪美、翼&鈴たちを呼んで皆でワイワイ、
 鬼役は鋼牙に「お前、鬼をやれ」と言われて渋々引き受ける零、の図ですが』

1月4日に出たドッキリ番、34567番のリクエストを頂きました。
そして、リクエストには、こうとも・・・
『普段、鬼より怖いホラーを退治している鋼牙が鬼役になって、
 最初はカオルに豆をぶつけられるんだけど、途中で形勢逆転、
 鬼鋼牙がカオルを襲ってキャー///、なんていうのは、いかがでしょうか?
 もしくは、もっと真面目な感じでもアリです。』


冴嶋家のある日の午後バージョン(節分篇)という感じになったんですが・・
このお題、3人だけの節分って、ほんと、ム・ズ・カ・シ・イ
こんなになんにも浮かばなかったこと初めてです。
F様、せっかくリクエストしていただいたのに、すいません。 
申し訳ないですが、はっきり言って、白旗付きのグリコです。(ToT)/~~~ 



   ・・・ Eve of the beginning of spring ・・・               
                                   <1.20.2012>

「ただいま・・」

「おかえりなさいませ、鋼牙様」

「ゴンザ・・ カオルは?」

「カオル様は、今日発売の美術雑誌と、絵具を買いに行くとおっしゃられて、
 街まで出掛けておられます。
 お昼までには戻るとおっしゃられておりましたので、もう、そろそろお戻りかと」

「そうか」

洗面に行って、リビングで座ってしばらくしたころ、カオルが帰ってきた。

「ただいま、鋼牙」

「おかえり」

「鋼牙、お腹空いてるのにごめんね、帰るのが遅くなって。
 画材屋さん行って、本屋さん行って、そのあとついでにCDも買ってきちゃった。
 鋼牙、覚えてる?
 ほら、前に一緒に見た美術館のDVDがあったでしょ?
 あのナレーションしてた、RYOSEI って人のCDなんだよ~」

「そうか」

「あ、それとね、今日は節分だから、こんなのも買ってきたんだよね」

「・・・?・・・」

「じゃ~~ん! 豆まきセット~~」

「豆まきセット?」

「うん。
 豆だけじゃなくて、鬼のお面までちゃ~んとついてるんだよね。
 鋼牙、豆まき、知らない? 
 ねぇ、やったことって、もしかして・・・ 無かった?」

「知ってはいるが、したことは無いな」

「そうなんだ・・・
 でも、そうだよね、鋼牙、ずっと忙しいし、ゴンザさんと二人だし・・
 それに、想像上の鬼とかじゃなくて、鋼牙って・・
 鬼より怖いホラーをやっつけてるんだもんね。
 そっか、豆まきなんかしなくても、平気だよね・・・」

「カオル?」

「ん? いいのいいの、気にしないで。
 わたしね、毎年じゃないけど、一人で豆まきしてたから、
 だから今年は、鋼牙やゴンザさんもいるし、一緒に3人でできるかなって・・・
 ただそれだけだったから。
 だから、もういいよ、鋼牙。
 ね、待たせちゃったけど、お昼ご飯、食べよう~」

「・・・ああ」

買ってきたCDの話を聞きながら、昼飯を食べて・・・
食後のコーヒーをリビングのソファーに座って飲みながら、テーブルの上に置かれたままになっている、豆まきセットを手に取り、袋に書かれた説明書きを読んでみる。

『おい、鋼牙・・・』

「なんだ」

『豆まきか? カオルのやつ、やりたがっていたようだが』

「どうやら、そのようだな」

『なんだ、やってやらないのか?』

「やるのは別にかまわないが・・・
 豆まきというのはそんなに大事なことなのか?」

『さあな・・ べつに、深く考えなくてもいいんじゃないのか?
 ホラーはいるが、実際に鬼がいるわけでもないし。
 さっさと豆まいてカオルを納得させて、溜まってる仕事をかたづけろ』

「そうだな・・」

飲み終えたコーヒーをテーブルの上に置いて、ぼんやりしていると、片付けを終えたカオルとゴンザがやってきた。

「おや? 鋼牙様、鬼の面ではございませんか。
 ほ~う、最近ではこのような便利なモノがあるのですね・・」

「なんだ、ゴンザは豆まきというのをしたことがあるのか?」

「はい、私の子供のころのことですが。
 そういえば、この冴嶋家は代々魔戒騎士のお家のせいでしょうか、
 鋼牙様の小さい時にも、されたことは一度もございませんでしたな」

「へぇ~ そうなんだ、魔戒騎士の家って、しないんだね~」

「まあ、ふだんから鬼より恐ろしいホラーを退治しているわけでございますからね」

「そっか、そうだよね」

「・・・カオル、やるか?」

「え? いいの?」

「すぐ終わるんだろう?」

「うん、だって、鬼の役になった人に豆を投げて、追い払って・・
 その後で自分の歳の数だけ豆を食べればいいだけだもん」

「鬼の役?」

「そうだよ、だからお面がついててセットになってるんだもん」

『で? 鬼の役は、誰がするんだ~?
 お前か? ゴンザか? それとも・・ カオルか?』

「あ、鬼でしたら、私が・・・」

「いや、くじかなんかで公平に決めよう」

「じゃ、3人でじゃんけんは? 負けた人がするの」

『そりゃ、カオルに決定だな~』

「ザルバ、勝負はやってみないとわからないわよ~」

「もういい、さっさとやるぞ」

「では、最初はぐぅ~ でいきますぞ、よろしいですか?」

「ああ」
「はい」

「では、最初はぐぅ~ じゃんけん、ぽん」

「あ!」
「ぉお?!」
「・・・・・」

『さすが勝負事には強いな、鋼牙、1番だ』

「嫌味だな、ザルバ・・ しかもパァーで負けた・・」

「だって、鋼牙って、よくグゥーを出すから、投げさせてあげようと思ってわたし・・・」

「私も、鬼になろうと思いまして・・・」

「俺はお前がよくチョキを出すから、パァーをだしたんだが・・・
 もういい、始めるぞ」

袋から鬼の面を取り、輪ゴムを耳に掛けて顔につける。
ゴンザがテラスへのドアを開ける。

「鋼牙様、では、こちらに立って、豆を投げられたら、追い出されてください。
 カオル様、では始めましょうか」

「は~い、鋼牙、いくよ~」

「ああ、いつでも、来い!」

「鬼は~外 福は~内・・
 鬼は~外 福は~内・・」
「鬼は外~  福は内~・・」

『イテッ!
 おい、鋼牙、鬼役はお前だろう? 俺を豆に当たらないようにしろ!』

「うるさい! たしかに、痛いな。
 あとで、豆を食べると書いてあったな・・
 なら・・・」

「あ~~! 鋼牙、なにやってるのよ~!」

「家の中から、追い出されたんだから、何をしてもいいだろう?
 ここはもう、外のテラスだからな。
 後で、歳の数だけ食べる豆を、粗末にできないだろう。
 だから、お前が投げた豆をキャッチしているだけだ!」

「もう~~! そんな鬼なんて見たことも聞いたこともないよ~」

「ほっほっほ・・
 なるほど、鋼牙様、やりますな・・
 では、落ちるのを気にせず遠慮なく。
 鬼は外~ 福は内~・・」

「っく!
 ズボンのポケットにもう豆がいっぱい・・」

『ふがっ!  ががが・・・』

「あ、終わっちゃった・・  鋼牙、終わったよ~~」

「鋼牙様、お疲れさまでした」

「ゴンザ、それでいい、そこの盆をよこせ」

バラバラバラ・・・
・・・ポトン・・・

『カオル~ お前、俺めがけて投げただろう~
 俺は口しか使えないんだから、1個しか取れなくて、
 お前の投げたのばかり4発も当たったじゃないか・・
 けっこう痛かったぞ』

「ごめんザルバ、わざとじゃないからね、たまたま、だから」

「そんなことはどうでもいい。
 歳の数だけ豆を食べるんだろう、数はあるか?」

「ちょっと、待ってね。
 に~し~ろく~はち~・・・・にじゅうはち。 
 はい、コーヒーの受けに入れたの、これ鋼牙の分ね。
 で・・・ に~し~・・・にじゅうろく。
 ここまでのが、わたしで・・
 ゴンザさん、足りてます?」

「あ、私は、残りのを全部頂きますので、ご心配なく」

そう言って、カオルが自分の分を左手に取ると、豆の載ったお盆ごと、コーヒーカップを持ってゴンザは、部屋を出て行った。

『鋼牙、ゴンザのやつ、いくつになったんだっけ?』

「たしか・・・ 70?・・だったか・・」

「え? ゴンザさんて、そんな歳だったんだ。
 わたし、もう10歳ぐらい若いかと思ってた」

「まあ、たしかに見た目は若いな」

「ん――・・ うわ! この豆、固~い・・・
 26個も食べるのたいへん」

「そうか? そこまで固いか? 俺は別に平気だがな」

二粒づつ口に放り込んで、すぐに食べてしまった俺は、急に静かになった隣に顔を向けてみた。
すると、カオルは黙ったまま、もごもごと口を動かして一粒づつ豆を噛んでいたようだが・・・

「んん~~!」

「どうした?」

「最後の一粒を、力入れて噛んだら・・  う~~・・
 もうやだ、豆噛まずに、口の中、思いっきり噛んじゃった~
 あ~ん 痛い~~ 鋼牙、血の味がするよ~」

左の頬を手で押さえて、顔をしかめて、涙目になっている。
ふぅ~~ まったく・・・

「ほら、口を開けて見せて見ろ」

「ほわ~~い」

「ふっ しっかり噛んでるな。
 カオル、いいか、酸味のあるものは今日は我慢しておけよ」

「・・・はぁ~い」

豆まきをしてさっきまですごく喜んでいたのに、カオル、今はもうすっかりしょげかえっている。

「もういいか?
 俺は書斎で仕事をしてくる」

「・・・うん・・・」

ソファーから立ちあがった俺は、頬に手を当てたまま俯いているカオルの姿に・・・
無意識に、小さく呼びかける。

「カオル・・」

「・・・?・・・」

左手を素早くポケットに突っこみ、右手を顔を上げたカオルの顎の下に当てて上向かせながら、腰を屈め顔を寄せ、唇を重ねる。
優しく食んでカオルの唇を開かせ、入り込み、そっと噛んで傷になっている部分に舌を這わせ撫でて確かめてから、少しだけ舌を絡ませ、顔を離す。

「鋼牙・・・」

「もう、血も止まってるし、それぐらいなら、すぐに治る、大丈夫だ。
 じゃあ、仕事してくる」

「うん・・」

ドアへと歩きながら左手を出して、書斎へと向かう。
椅子に座り、箱の上に出した台座に指から外したザルバを載せる。

『・・・・・』

「なんだ?」

『今さらだろう、なんでわざわざポケットなんだ?』

「さあな・・」

『まさか・・とは思うが、俺に見られるのが、恥ずかしい? のか?』

「・・・・・いや」

『おい、なんで顔を赤くしてる?』

「・・・・・なんでもない!」

『ふ~~ん・・・』

「・・・・・」

『くっくっく・・・』

「・・・おい、よけいな事をカオルに言うなよ」

『どうしようかな~~』

「おい!」

『どうでもいいが、いいかげん、さっさと仕事しろ』

「言われなくてもこれからやる!」

くっくっく・・・
最近落ち着いてきたと思っていたが・・・
鋼牙、まだまだお前・・・

『かわいいな・・・』

「ん? 今何か言ったか?」

『いや、何も・・・』


作文1 | コメント(4) | トラックバック(0) | 2012/02/03 00:00
コメント
ママ様、おはようございま~す
う~ん、ゴンザさんの元に残った豆の数はほんと、何粒だったのか・・・?
管理人がスーパーで見掛けた 「お徳用ファミリー豆まきセット」 は、かなりな量の豆が入っていましたから、鋼牙ならゴンザさんの歳の数はキャッチしているのではないかな? とおもっているんですけど・・・
そうですね、恵方巻き、鋼牙にも齧らせてみたかったなぁ~~
うっかりしてました。 (+_+)
りのん様、こんばんは
ダンタリオンのコインも、魔弾の時の銃弾も剣で跳ね返す鋼牙なら出来るかな~?
鋼牙の動体視力と反射神経を持ってすれば、豆キャッチも可能かな~?
ついでにザルバもマメ1個なら、口で止められるかな、と。
真面目に想像したんですが、無理かな~~?
さすがに、豆まきだと、ギャグ仕様になったみたいですねぇ。 (苦笑)

え~と、管理人の生息地域も、恵方巻きは流行ってます。
当日は、北北西やや右に進路を取れ! で、ちゃんと黙って食べました。
少し喉に詰まりましたけど、今年は、カツ巻き、美味しかったです。
No title
え、零君が?
やっぱり?って感じですね~~(笑)
ふみ様、どうもありがとうございます 
そう言っていただけると、ホッとします。
大阪に行っていた時も、ず~っと気がかりで・・・
レポを書きながら、ずっと考えていました。
そういえば・・・ ふみ様、零君がずっと豆まきをしたがっていましたよ。 (苦笑)


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